表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/100

-34- 酒

 酒は百薬の長とも言われ、飲み過ぎなければ疲れを取り、健康増進に貢献する。まあ、そうは言うものの、飲み過ぎれば依存症になるから、飲み方によって身体を害する毒ともなり、考えものだ。医学的に考えれば、脳神経を一時的に麻痺させることで、人を陽気にさせたり(わび)しい思いにさせ、泣かせたりする曲者(くせもの)となる。後者の侘しい思いにさせて泣かせる、所謂(いわゆる)泣き上戸の主人公が今日のお話の話題である。^^

 月鉾(つきぼこ)は一人の女性に惚れていた。ところが、その思いを相手の女性にどうしても告白することが出来ない。どうすれば…と、思うにつけ、その侘しい想いは酒へと月鉾を(いざな)った。

「…月鉾さん、もうその辺になさったらいかがです?」

 カウンターで飲んでは泣き、泣いては飲む月鉾を、見かねた店主が鯔背な白着物に白の(たすき)姿で酒の肴にする魚を調理しながら月鉾をチラ見し、止めようと声をかけた。

「ぅぅぅ…どうしたらいいんです、私ゃ?」

「何を、です?」

「い、いや、も、もういい。もういいんです、ぅぅぅ…」

「はあ…」

 店主は月鉾が言う意味が分からず、まったく要領を得ない。

「私でよけりゃ、相談に乗りますが…」

「い、いや、いいんです。泣かせて下さい、ぅぅぅ…」

 それを聞いた店主は、この人、泣き上戸だな、可哀そうに…と侘しく思った。

 酒は飲む人を侘しい思いにするだけでなく、身近にいる人も侘しい思いにさせるのです。^^


                   完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ