-33- サンドウィッチ包装用サランラップ経済観測調査
-25-に引き続き、別の短編集にも過去何度か登場した経済観測調査である。今回は、サンドウィッチ包装用サランラップ経済観測調査と、早口言葉のように何とも長いタイトルの観測調査のお話である。^^
蹴毬は毎週、買っているサンドウイッチをスーバーで買って帰った。そのときは気づかなかったのだが、翌朝、そのサンドウイッチを食べようとしたとき、おやっ!? と、ある事態に気づかされた。それは、サンドウィッチのパックを包装するサランラップが消えていたためである。消えていたとは、パックを包んでいたサランラップが省略された・・ことを意味する。蹴鞠は侘しい気分で考えた。
『原材料の高騰による価格の値上げをしないとすれば、サランラップか…』
確かに蹴鞠が考えたように、販売食品の質を落とさず価格を据え置こう…と考えれば、メーカーは必然的に販売に付随した物を省略するか質を落とす他はない。サランラップはサンドウイッチに付随した物といえた。
『なるほど…』
何が、なるほど…なのかは分からないが、こんなところにも経済の綻びが…と、蹴鞠は侘しく思った。市場経済の失速を肌で感じたのである。^^
このように、眼に見えない社会の経済失速状況は、ほんの小さい物によって観測される訳です。政府与党の皆さん、真摯にお考え下さい。^^
完




