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-30- 買い替え

 以前だと故障した製品は修理代を出せば修理してもらえて使えたが、今では修理部品の在庫保有期間とか修理費が高くつくとかの事情で、買い替えるのが普通の時代になってきた。以前使っていた物が廃棄処分に回されるのを待つ間、なんとも(わび)しい気持にさせられる実に嘆かわしく侘しい時代に至っているのである。使い捨てるだけじゃなく、もう少し、物を修理して欲しいものだ。外国映画じゃないが、エクスペンタブルズ[消耗品軍団]は困りますネセシティーズ[必要軍団]であって欲しいものです。。^^

 吉岡は長年使っていたビデオレコーダーが故障したため買い替えを模索していた。

「十何年も前の製品ですから…」

 武蔵(たけくら)電気の店員、佐々木はポツンと()れなく言った。多くを言わずとも分かるでしょ…と言ってることは、吉岡にもそれなりに分かった。吉岡は少し侘しくなった。金が要る・・という理由ではなく、愛着ある商品との決別を余儀なくされたからである。

「なんとかならないですかねぇ~?」

「なんともなりませんね…」

 鸚鵡(おうむ)返しに佐々木は、なおも攣れなく吉岡を突き放す。電気屋に突き放されてはどうしようもない。^^

「分かりました。見積り、お願いします…」

 買い替えます…と、暗に言って、吉岡は折れた。

 数日後、新発売のビデオレコーダーが、運び込まれた。と、同時に、長年使っていたビデオレコーダーは武蔵電気の車中に消えた。吉岡は心の中で、ぅぅぅ…と泣いた。

 まあ、泣くことはないとは思いますが、長年連れ添ったものとの別れは、人であれ物であれ侘しいものです。^^


                   完

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