-27- 雨
雨は降って好都合の場合もあり、逆に困ることもある。大地は水が無ければ作物が育たず枯れるし、人も飲料水に事欠くことになるから、降れば潤いの雨・・となるだろう。が、しかしである。振り過ぎれば河川の氾濫、堤防の決壊、土砂崩れ、土石流による災害となり厄介な雨・・となる。要するに程度者だということだが、ただ自然の為す技、人は看過する他はないのである。♪どうたらぁ~~こうたらぁ~~♪と祈祷師に雨乞いの祝詞を誦んでもらっても、「ちっとも降らねぇ~やっ!」と怒れることもあるだろう。ただし最近は、ダムによる灌漑用水が出来た時代だからねそう怒る事もないのだろう。となれば、♪どうたらぁ~~こうたらぁ~~♪と雨が止む祝詞を誦んでもらうことになるが、その祭事の折りに土石流で流される・・なんてことにもなる訳だ。怖い怖いっ!^^
「今日はスポーツの日だな…」
「朝から雨が降ってます…」
「室内競技場もあるじゃないか…」
「コロナは大丈夫でしょうか?」
軽く考える者に対し、相手は重く侘しい声で返した。
「お前は、いつもいつもっ! そう陰気に考えるなっ!」
「はあ…。でも、雨降りが今の現実ですから…」
「止むかも分からねぇ~じゃねえかっ!」
「そりゃまあ、そうなんですが…」
すると、案ずるより産むがやすしである。空は俄かに回復の傾向を見せ、雲の切れ目から陽も射し始めた。
「だろっ!」
「はあ、確かに…」
晴れればいつかは雨が降りますし、雨が降ればいつかは晴れます。そう、侘しく思わなくてもいい訳です。^^
完




