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-25- 海老カツ・パック経済観測調査

 この手のお話は他の短編集にも数度、登場したとは思うが、今回は思わず(わび)しい思いになったお話である。

 魚川はいつものようにスーパーへ買い物に出かけた。そして、これまたいつものように店内を巡回し始めた。手押し車に乗せたカートの中には、メモ書きされた品が次々と入っていく。そして、揚げ物がレイアウトされている位置までやってきたときだった。

「おやっ!?」

 魚川は海老カツ・バックをカートに入れようとしたとき、ふと気づいた。中の海老カツが四個に減っていたのである。魚川は少し侘しくなった。そして、魚川の経済観測調査が始まった。

『五個入りのパックが四個に減った。…で、値段は変わっていない。ということは、製造する原材料費が上がったことになる。顧客に価格を変えず同じ商品を売るには、個数を減らすしかないか…』

 ぅぅぅ…と思える実に侘しい現実に、魚川はこれが今の世か…と、侘しく思った。

 今の世の中、物価上昇が目につきます。皆さん、ぅぅぅ…と侘しくなるほど深ぁ~~く考えず、軽ぅ~~く現実を流しましょう。^^


                   完

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