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-19- 原因

 物事の上手(うま)くいかない原因が(つか)めないときほど(わび)しいものはない。そもそも、上手くいかない原因が分からないのだから、上手くいく方法が見つからないのも当然といえば当然ある。

 小糠(こぬか)は朝からアァ~でもない、コォ~でもないとコンポーネント・ステレオの後部配線を見ながら溜め息を洩らしていた。ゴチャゴチャとやってはみたが、ウンともスンとも音が出ないのである。やり始めてすでに小一時間が経過しようとしていた。

「妙だなぁ~?」

 小糠は侘しい気分で手を止め、腕組みをして考え始めた。

「ナニからOUTしてアレへINだから、コチラのライン配線は間違いない…となると、アチラのライン配線か…」

 と、アチラのライン配線も辿ったが、OUT→INへとラインは間違いなく繋がれていて、何の問題もなかった。この確認が何回も続けば、さすがにダレてくる。小糠はついに半ば諦めの態でフロアの上へ大の字になった。

「原因が分からん以上、仕方ないか…」

 朝食を食べていなかったこともあり、小糠は降るでもないような侘しい小雨気分でキッチンへと向かった。そのとき、小糠の視線は偶然にもコンセントに注がれた。コンセントの電源コードが接続されず抜けていた。小糠はショボ降る雨のような侘しい気分で自分自身を(わら)った。

 侘しい気分になる原因は、何でもないような小さいところにあることが多いようです。^^


                   完

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