-1- 辛子(からし)の小袋
最近の世情を偉そうに観察すれば、どことなく侘しい気持にさせられる。一例を挙げればこんな出来事があった。某メーカーの冷麺パックの袋入りを買ったところ、今迄は入っていた辛子の小袋が入っていなかったのである。袋から麺の袋を出し、出汁袋を出し、外包みの袋を振ってはみたものの、やはり辛子の小袋は出てこず空だった。この事実に、気分はすっかり侘しくなってしまったのである。
━ 世の中は余り景気がよくないのか。思える推論は、事業者としては極力、値上げはしたくない。だが、製造コストが高くなり値上げもやむを得なくなった。値上げせずに製造するには…辛子の小袋を入れなければ、その分でなんとか値上げは抑えられる ━
事業者はそんな侘しい気持なのだろう…と推察された次第です。このお話を含め、これから綴る100話は、皆さんが日常で、ふと遭遇するであろう侘しい演歌のようなお話の数々です。テンションが下がらないよう、出来るだけ面白く描いていきたいと思います。最後までお読み下されば、誠にもって幸甚と申し上げる他ありません。^^
完