息子の元カノ
昨晩、喧嘩別れしたという息子のガールフレンドが、今朝、私のもとに泣きついてきた。
普通、そうゆうものは仲良しのお友達や元彼の所に向かうのが相場ではないのか?
私なりに考えて、昼間に息子に尋ねてみたが、彼女との交際を続けるつもりはないとのことだった。
午後三時に仕事を終え、帰宅する。
息子の元彼女となった若い娘が、今朝から滞在している私の家に。
私は止むを得ずの思いで、落ち込んでいるに違いない娘の為に、美味しいと評判の店の洋菓子を二人ぶん携えてきた。
今は愛猫と私が暮らすだけの自分の家なのに、彼女の存在を意識してか、つい呼び鈴を鳴らす。
名前は陽子。
「お帰りなさい」と出迎えてくれる。
彼女は、テレビのバラエティで見たことのある「はだかエプロン」ほどではないが、なにかしらのいやらしさ(エロス)を感じさせる出立ちだったので、私は、すこし躊躇して 、玄関に入るのを戸惑った。
最近SNS(TikTok)でよく見る感じの谷間の大きさや揺れ具合を強調してアピールする風の薄手のニットのセーターはすこし妖しさを含むが、落ち着いた色合いのタイトなスカートとの組み合わせの上品さには、むしろ好感が持てる。
すこし甘えた風で、控えめな笑顔からも、あざとさとか、取り入ろうとする気配とかは感じない。
私の動揺の理由を、無理にでもと探すなら、彼女の瞳の中に、私に向けての誘惑と誘いと甘えを訴えるような色味を帯びた光りが見える。
私は「やばいな」と声を抑えつつも呟く。




