調査
メビウスの興味を引いたのか、メビウスはすぐに船を出て倒したスケルトン達の方へ向かった。
「これだけか………?」
付いてきたエルミアは呟いた。
この船には貨物室とみられる場所に、大きな檻に閉じ込められていた誘拐された女性達が約50人ほどいたのだが、誘拐された人数を考えるとわずかでしか無かった。
「まだ諦めるのは早い。他の船も調べよう。それに港町の倉庫にも居るかも知れない。疲れてはいるだろうが、動けるものを総動員して、日が落ちるまでに確認するぞ」
レグルスの言葉に頷くとすぐに人を呼びに行った。
「ミリア、お疲れ様。ありがとう」
眠っているミリアに御礼を言うと、仲間にミリアを託すとレグルスも他の誘拐された女性がいないか行動を開始した。
街の自警団や町長などにはフェンリーとエルミアが事情を話したが、インペリアル大国の仲間の可能性があるため、少し強引に話をまとめた。
「あれでよろしかったのですか?」
余りいい顔をされなかったのでエルミアは気にしていた。
「確かに街の権力者の協力が得られないのは痛いが、今はこれでいいよ。どちらにしても町長には恨まれるからね」
「どうしてだ?」
フェンリーは疑問を投げかけた。
「考えてもみろ。この港町はインペリアル大国の取引で成り立っている。今回の誘拐事件で関係が悪化したら大損害を被るのはこの街だ。僕が町長ならこの事件を揉み消すよ」
!?
「それはマズイぞ!」
「慌てないでフェンリー。港でこれだけ大規模なインペリアルの騎士鎧を着たスケルトンが暴れたのよ?隠せるものではないわ。だから渋々と調査を受け入れたのよ。もし隠そうとしたら自分も共犯とみられるから」
なるほどと、フェンリーは納得した。
「港だけではなく、これだけ大きな街だ。お前達の知り合いの1人や2人居るだろう?最近変わった事が無かったか聞いてくれ。街中でも怪しい所がないか調べるぞ」
レグルスの言葉にすぐに指示をだした。
そして、港の倉庫からさらに100人ほどの誘拐された女性達が見つかった。
「良かったと言うべきか、間に合わなかったと言うべきか…………」
人数がけ見れば半分も救出が出来なかった事になる。
「クソッ!邪教徒達め!」
フェンリーは壁を殴った。
パラパラッとひび割れた壁から粉が落ちた。
「落ち着きなさい!拐われた仲間達はインペリアル大国に連れていかれたのがわかったのだからすぐに調査隊を派遣しましょう」
ふと、船の見張りをしていたゴロツキを思い出した。
「ああ、あの二人はインペリアル国と関係ない事がわかったわ。金で雇われただけですって」
ふむと関係レグルスが気になった事を聞いた。
「それは誰が交渉したんだ?スケルトン達がそんな交渉ができるとでも?」
あっ!と、思い至った。
少なくとも数人の間者がいる事がわかったのだ。




