情報交換
レグルスの質問にフェンリーが答えた。
「うむ、多少は情報収集をしているようだな。理由まではわからないが、女性ばかり狙われている」
「あのっ!獣人族の鼻でも追えないって言うのはどういう事なんですか?」
ミリアの質問に、フェンリーは壁を見るように促した。
壁には街の大きな地図が貼ってあり、多くの赤丸が付いていた。
「この赤丸が行方不明者の最後に確認できた場所だ。この黄色い丸は行方不明者の住んでいた場所で、数字は行方不明になった順番を印してある。誘拐の最初の頃は多少の前後はあるがな」
なるほど。
分かり易いな。
地図を見ると街中で、まんべんなく印が付けられていた。
「これは難しいですね。地域的に集中している訳でもないですし、特に順番も決まってなさそうだ」
「そうなのだ。我々の嗅覚を掻い潜って仲間を拐うなど普通はありえない。我々が感知できない【魔法】か【スキル】でも使わないとな」
なるほど。
それで魔力の高いエルフと言う種族を考えている訳だ。
「メビウス、そんな魔法ってあるのか?」
レグルスは魔術師のメビウスに尋ねたが、フェンリーは驚いた顔をして見た。
「どうかしたか?」
「い、いや。貴重な魔術師をこんな少数で連れて歩いているので驚いてな」
確かに、この世界では魔術師は少なく、1つの国に数名しかいないと聞いた。
「そういえばそうだね。神炎騎士団がおかしいんだよ。魔術師は戦争の切札になるから、普通は連れて歩かないよ」
「えっ、だってジャンヌ団長は──」
メビウスはうんうんと頷きながら言った。
「本当に我が団長様は人使いが荒くて困る。本来ならお城で優雅な暮らしをしながら、必要な時に手を貸すのが普通の国のやり方なのだがね。まぁ、団長様の事を気に入っているから気にしてはいないけど」
そういえば、魔術師には高い地位が与えられるって最初に聞いたな。
「戦力を削るには魔術師を狙えばいいって事だね。レグルス殿、私を守ってくれたまえよ」
なんかその言い方だとやる気が削がれるのだけどな………
「フフフッ、信頼されているのだな」
「そんなことはないと思うけどね。おっと、話が脱線してしまった。すまない。メビウスどうなんだ?」
メビウスは顎に手を置き、考えながら言った。
「スキルはわからないのだが、少なくとも魔法では姿を隠す呪文はあるのだよ。だが──」
含みを持つ言い方で言葉を区切った。




