会議
屋敷に戻ったレグルス達は警備を増やすよう指示を出し、主要メンバーを集めた。
「みんなご苦労様。さっそく報告に入ろう」
テーブルに街の地図を広げて、駒を置きながら話した。
「まず、エルフ族は今の所、友好的な感じだったよ。門番も威圧的ではなく、客人を迎えるような口調で話してくれて好感が持てたな」
「うんうん、そうだね!でも、責任者が不在で3日後にまた会いにいく約束を取り付けたんだよね」
ミリアがまとめながらメモもしている。
「問題は、その後に行った獣人族だな。とても友好的では無かった。それと──」
襲撃の事も話した。
話を聞いた仲間はミリアと同じ事を思った。
『どうしてわかった!?』
「まぁ、おかげで獣人族と繋ぎができたよ」
「そして、人族を嫌っている獣人族が勇者の力を必要としている事がわかった。まだ理由はわからないが、近いうち使者が来ることになっている」
話を聞いた他のメンバーも考える仕草をしながら各自、意見を述べた。
「レグルス隊長、1つ懸念事項として、どこの種族に手を貸すおつもりですか?」
「どういう意味だ?」
レグルスはうん?と言う顔で尋ねた。
「ああ、レグルスは微妙な所を理解してないみたいね。えっとね、獣人族は共存共栄しているようで、一部敵対しているの。例えばエルフと仲良くなると、ドワーフはいい顔をしないの。獣人族は数が多いので、他種族より獣人族内の『種族』で敵対しているものがあるの」
なるほど。
これは困ったな。
レグルスは自分の考えていたプランが一部使えない事に気付き頭を悩ませた。
「そうだったのか。勉強不足ですまない。だが、優先順位は守るよ。まずはエルフと友誼を結ぶ。それでドワーフ族と不仲になってもね」
他のメンバーも頷いた。
「それに上手く獣人族に恩を売っておけば、仲間にならなくても、僕達の邪魔はしないだろう。それよりこの街で起こっている人攫いについて調べて欲しい」
ミリアが指示を書いた紙を配った。
「この街で少なくない亜人の誘拐が多発しているそうだ。その実行犯が人族と言うことらしい」
「皆さんに配った紙は、ここ最近で居なくなった者達のリストです」
書いてある名前の数に戸惑った。思ったより数が多かったからだ。
「ここまでの人数をよく拐えましたね。ザッとみて30人はいるのですね」
「ええ、しかも獣人でも希少種と呼ばれる珍しい獣人ばかりだそうです。エルフも何人か拐われています。かなり大掛かりな組織がいるかも知れません」
レグルスはみんなを見渡して言った。
「当面は各種族達の関係の確認と、この誘拐事件の解決を目標にする。だが、我々はよそ者だ。ただでさえ目立つ。誘拐事件は、聞き込みで話を聞く程度で、大々的には動かないで欲しい。すでに獣人達も動いている。我々より向こうの方が情報を掴んでいるだろう。あくまで、我々は聖王の使者として各部族の友誼を結びにきたと言うことで通す!」
そう締め括って会議は終了した。




