試される
レグルスは距離を取った襲撃者に話かけた。
「まぁ、動きでわかっていたが、獣人達が何故、僕達を狙う?僕達は君達と争うつもりはないのだが?」
「……………」
襲撃者は何も喋らない。無言で武器を構えた。
「レグルスも神剣を構え、襲撃者達に備えた。
お互いにジリジリとスキを伺い、今まさに飛び出そうとした時、メビウスが叫んだ。
「レグルス!」
同時に眩しい光が放たれた。
「ぐわっ!?」
レグルスはすぐに目を庇ったが、獣人の襲撃者達はまともに受けてしまい目を押えた。
獣人族は鼻や耳が人間より優れており、さらに、種族によっては目も良いのだ。その目に眩しい光を受けたものだから、ダメージは人間の比ではない。
レグルスは素早く、悶えている襲撃者達に当て身を喰らわせて昏倒させていった。
「クソッ!」
最後に残った襲撃者に神剣を突き付けて、レグルスは言った。
「誰も殺していない。誰の指示で僕達を狙ったかいえば助けてやる」
ようやくボヤけていた視界が戻ってきた襲撃者は下を向き襲撃が失敗した事を悟った。
しかし、意外な事にレグルスは、ふぅ~と息を吐いて神剣を下げた。
「…………どういうつもりだ」
「さてね。でも、君の仕事は終わっただろう?もうそろそろ良いのではないかな?」
!?
驚く襲撃者は震えながら話した。
「ま、まさか気付いていたのか………?」
レグルスは頷いた。
彼等に殺気が無かった事に気付いていた。
短剣は本物だったが、狙ってくる場所も急所では無かったので、試されているのでは?と思ったのだ。
「だから殺さなかったんだ。それで、僕は君の主のお眼鏡に叶ったかな?」
「く、くはははっ!想像以上だ!突然の御無礼、申し訳なかった」
獣人はその場で土下座をしてレグルス達に侘びた。
「レグルス、どういうこと?」
状況を理解出来てないミリアとメビウスは首を傾げてレグルスに尋ねた。
そして、自分の考えを伝えた。
「彼等は僕達の力を試したんだよ。殺気がなく、本気で殺そうという気概が無かったからね」
事情を話したレグルスに、二人は呆れて声を上げた。
「「いやいや!普通わからないから!!!」」
やっぱり、ジャンヌ団長とレグルス君は異常だねとヒソヒソと話した。
「改めて、申し訳ございませんでした。勇者殿が我々の求める実力者かどうか見極めるよう言われました。ぜひ、我が主様に会って頂きたい」
「わかりました。ただ、今からは難しい。理由はわかりますね?後日、我々の滞在している屋敷に人を寄こして下さい。ただし、3日後だけはエルフ族と会合があるので、それ以外の日にちでお願い致します」
わかりましたと言う言葉を聞いてからレグルス達は急いでその場を後にした。
「ち、ちょっとレグルス君、どうして急ぐの?」
「あの眩い光で色々な者が集まって来てました。今もマークされてます。このまま屋敷に戻ります」
!?
ミリアはビクッとして周囲を伺うと、やっぱりレグルス君はおかしいと呟くのだった。




