挨拶回り
レグルス達は次の日になると、各部族の責任者のもとへ挨拶回りに出掛けた。
まずはエルフの所からだ。
「聖王国の新たな聖王ジャンヌ・ダルク様の使者としてご挨拶に伺いました。責任者の御方にお目通りお願い致します」
丁寧な挨拶をして頭を下げた。
「お話は伺っております。しかし、本日この街にいる責任者が出掛けており、3日後に戻られる予定です。申し訳ございませんが、3日後の午前に再度お願いできますか?」
「はい。ご丁寧にありがとうございます。突然きて申し訳ございません。では3日後の午前に伺います」
取り敢えず、伝令を送り伺う事は伝えていたが、向こうにも都合はあるだろう。門番の丁寧な口調に、嫌われては無さそうだと感じ、ここは出直す事にした。
「少し意外だったな」
「そうですね。もっと嫌われているものだと思ってました」
隣を歩いているミリアも頷いた。
「しかし、この3日間は無駄にしたくない。他の所にも挨拶回りに行こう」
レグルスは他の種族の責任者のもとへ向かった。
次に向かったのは獣人族の所であった。
こちらはわかり易く、余り良い感情は持たれて無さそうだった。
「何用だ!ここは人族が来る所ではない!すぐに立ち去れ!!!」
エルフの時と同じく新聖王の使者として来た事を伝えるが取り合って貰えなかった。
「わかりました。突然きて申し訳ありませんでした。ただ、教えて頂きたい。どうしてそんなに人族を嫌うのですか?」
「何をいまさら!貴様らが俺達を誘拐して奴隷として売り捌いているからだろうがっ!」
!?
「獣人族の誘拐は多発しているのか?」
「はぁ?この1年で争いは少なくなったが、その代わり誘拐事件が多発している。末端の者を何人か捕まえたが、その全てが人族だった」
お前は本当に知らないのか?と言う風に門番に戸惑いの表情が出ていた。
「すまない。僕達はナニワから始めてここにきて、そう言う事件の事を全然知らなかった。同じ人族として申し訳ない。その誘拐事件、まだ解決してないのならこちらでも解決できるよう調べてみよう。」
レグルスはそう言ってその場を立ち去った。
「ふ~ん?厄介事に首を突っ込むとは、ただのお人好しなのか、何か打算があっての事なのか、お手並み拝見としようか」
レグルス達を物陰から見ていた者が呟いた。
そんなレグルスも、自分が見張られている視線に気付いていた。
よそ者だからと思っていたが、明らかに神炎騎士団だから見張られているという感じだな。
襲撃があるかも知れないと、いつでも戦えるように気を張るのだった。




