亜人の国へ
ナニワを出発したレグルス達は、南の地域で1番大きな国へ向かった。
「これから向かう国ってどんなとこか知ってるかい?」
レグルスが尋ねると隣にいた治癒師ミリアが答えた。
「そうですね。今から向かう都市国家メソポは、元々は国ではなく、ナニワのように物流の拠点だった都市だったのですが、他の所から民がどんどん集まって、独立した経緯があります」
「なんだ。ナニワと同じ内容で建設されたのか」
レグルスがそう言うと、ミリアはチッチッチと指を振った。
「それがちょっと経緯は違うんですよねー?」
勿体ぶるように言うとレグルスが降参のポーズを取って説明をお願いした。
「コホンッ、では教えましょう!元々、南は多種多様な亜人が住んでました。代表的なのはエルフ、ドワーフ、獣人族、が挙げられますが、実はその中にもっと細かい種族が存在します」
ふむふむと話に耳を傾ける。
「エルフなら、ハイエルフやダークエルフがいて対立しております。獣人族が1番厄介で、猫獣人族や狼獣人、兎族、熊獣人などなど、とにかく種族が多いのです。そして、種族によって対立があります」
「これは難しい問題だな。どちらかを立てれば、片方に角が立つって事だからな。肉体的に強靭な獣人が仲間なってくれれば心強いが、仲間にした対立部族が敵なるのは嫌だな」
ジャンヌの考えでも、無闇に敵を作るのは得策ではないだろう。しかし、この問題をどう解決すべきか…………
レグルスは歩きながら頭を悩ませるのだった。
「煮詰まってるねー?少年!」
後ろからメビウスがやってきた。
「まぁ、現地に着くまでには何かしら考えておかないとと思って」
「悩む必要はないと思うがね?」
???
どういう事だと視線をやるとミリアと同じく指を立てて言った。
「今回、仲間に勧誘するのはエルフ一択だからだよ」
「えっ、なんでですか?」
「聞いていただろう。今回の目的は絶壁の砦の攻略だ。その為には平地から砦上の兵を狙撃できる弓の名手であるエルフが重要になってくる。それに、エルフには魔術師も多い。仲間に勧誘するならエルフ一択だよ」
なるほど。
肉体的に優れている獣人族も検討していたが、確かに第一はエルフで決まりかな。
「そうだね。確かにエルフを第一に勧誘してみるよ」
ウンウンとにこやかな顔で頷いた。
「あっ、でもうまく勧誘出来たら対立しているダークエルフが敵になるから頑張ってね~」
えっ!?
他人事の様に言うだけ言って離れていくメビウスに頭を痛めるレグルスであった。




