予定通り
戦いの火蓋が落とされた。
最初こそはお互いの剣が交差し、激しい剣戟の音が鳴り響いた。
しかし、手練のジャンヌ団長を筆頭に、レグルスやバルド、そして、前回の戦闘から参加したサイファーなどが先陣を切って敵の傭兵団を圧倒した事ですぐに戦況が変わった。
傭兵とは、国の騎士と違い、国などに命を掛けたりしない。
無論、忠義に厚い傭兵団もいるだろう。
しかし、ナニワに集まった小規模な傭兵団は、金の為に集まった者達だった。
故に、敵が強大で強いとわかれば自分の命を優先するのは初めからわかっていた。
うわぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!
「つ、強い!?」
「に、逃げろっ!!!」
一度、敗走者が出てしまえば止める術はない。
ナニワの商人達は予想もしていなかった展開で、あっさりと勝敗が着いたのだった。
「逃げていく傭兵達は追わなくていい!金で雇われただけの奴らだ。それより、このままナニワへ進軍する!」
オオオォォォォォォ!!!!!!!!
逃げ出す傭兵団を余所に、後方の傭兵団は陣形を崩さす、そのまま静観していた。
「お前達はどうする?」
ジャンヌの問い掛けにリーガル傭兵団の副官が答えた。
「我々に戦意はありません。すでに団長が『貴方』の密偵から貰った密書の指示で動いております」
「ほぅ?うまく動いてくれたか。感謝する」
「団長~~~それは私に言って下さいよ~~~!」
後ろからリタがブーイングした。
そう、リードとブレークの前に現れたのは、黒いローブで姿を隠したリタだったのだ。
リタには斥候や密偵の他に暗殺者としての腕もあるのだが、そのスキルはまだ団長以外には秘密である。
「お前には何度も言っただろうが」
ジャンヌは苦笑いをしながら、どこか面白そうに言った。
「まぁまぁ、今回はリタのおかげで余計な犠牲者が出なくて良かったじゃないですか」
「そうだな。貴殿の傭兵団は逃げ出した傭兵団の監視と戻ってきた時の迎撃に当たって欲しい。頼めるか?」
「わかりました。御指示に従います。それと、ナニワに入られるなら、暗殺者には気を付けて下さい。大人数で入るより、50名ぐらいの人数で分散して入った方が安全です」
「ああ、わかった。助言感謝する」
副官の助言に従い、その通りにナニワへ入った。
「私などの言葉にも耳を貸して実行してくれるのか…………これは、神炎騎士団に付いて正解だったですね」
副官は神炎騎士団を見送りながら呟いた。
神炎騎士団一部の兵を念のために外に置いて、部隊を分けて突入した。
「我々の目指すのは商人議会堂だ!向こうから攻撃を仕掛けてくるまではこちらから手を出すな!今後の統治に響くからな!」
ジャンヌ達は真っ直ぐ商人議会堂を目指した。




