激突!
ジャンヌが城壁を背にしたのは城壁の上から弓隊が弓矢に火薬の入った『筒』を射ることにより、着弾と同時に爆発する道具が届く範囲に敵を近付ける為だった。
一発で5~6人を吹き飛ばすほどの威力であった。それは休むことなく次々に射られるのだ。
ヨド傭兵団の精鋭でも混乱が拡がった。
「味方には当てるなよ!一斉掃射!!!」
威力がある分、弓隊も下にい味方に気を使った。ジャンヌが敵の弓隊を出来る限り倒したのも、邪魔されない為である。
もし、反撃され城壁の上に置いてある火薬の筒に当たって引火したら大惨事になるからだ。
この状況下ですぐに我に返ったのはグールだった。
「野郎ども!突撃だ!上は無視しろ!乱戦になれば妙な弓矢も味方を巻き込むため、撃ってこれない!」
グールは自ら突撃し味方を鼓舞した。
「私が相手しよう!」
ガギンッ!!!
グールとジャンヌが斬り結んだ。
ギリギリッと力比べになる。
「なかなかやるな!貴様の名は?」
「俺はヨド傭兵団団長のグールだ!貴様の首を貰うぞっ!」
ギンッと弾くと構え直した。
「行くぞっ!今までの借りを返してやらぁ!!!」
ロングソードを振りかぶり、ジャンヌに向かっていった。
「私もやすやすと、この首をやる訳には行かないのでな!」
グールとジャンヌの戦いが始まると同時に、周囲にも敵殺到し、激しい剣戟が鳴り響いた。
「弓隊の半数は通常の矢に切り替え、ジャンヌ団長達を援護しろ!残った者は、後ろの方を狙いながら『爆裂矢』を在庫があるだけ撃ち込め!!!!少しでも敵の数を減らすのだ!」
グールの予想通り、近くでは爆裂矢は撃てない。故に通常の矢に切り替えても、味方近くでは撃ちづらい。
どうしても少し後ろの方を狙わないといけなくなるのだ。
故に、目の前の敵はレグルス達が対処しなければならない。
「密集陣形を崩すなよ!目の前の敵に集中しろ!上から援護射撃があるんだ!安心して戦え!!!」
バルドも味方を鼓舞しながら戦った。
ジャンヌの左右をレグルスとバルドがカバーしながら戦うかっこうであった。
『この者、傭兵団の団長というだけあって腕が立つ。このままでは長引くか………?』
グール団長と激しい剣戟を繰り広げながらジャンヌは周囲の戦況を見ながら戦っていた。
ジャンヌは数で劣っている状況下で、長引くのはマズイと思い、勝負にでた。
!?
急に前に飛び出したジャンヌに、グールは一瞬、戸惑いスキができた。
「もらった!」
「舐めるなよっ!」
ワンテンポ遅れたとはいえ、少し距離があったため十分にカバーできた。
ジャンヌは下から斬り上げる態勢で、グールは上段から振り下ろす構えで対峙た。
『よし!このままジャンヌの剣を弾いて、そのまま斬り伏せる!』
上段から振り下ろす方が威力が大きいのだ。腕力もグールの方があるだろう。勝利を確信したグールは愛剣を振り下ろした。
ザシュッ!!!!
???
一瞬、何が起こったのか理解出来なかった。グールが剣を振り下ろすより先にジャンヌの剣がグールの胸に刺さっていたのだ。
少しして、口から血が吹き出した。
ゴフッ…………
どうして…………?
視線を下げると、ジャンヌの手に剣はなく、ジャンヌは下段からハンマー投げの要領で剣を『投げた』のだった。
まさかそんな手が…………すまねぇ、リード………俺のヨド傭兵団を頼む。
グールはそのまま後ろ倒れて絶命したのだった。




