合流!
かつて、聖王に意見したり、忠言した者達は王都から追い出され、辺境に追いやられた者達が多かった。
この砦の司令官であるサイファーも、その1人である。サイファーはジャンヌ団長と通じるものがあり、辺境に飛ばされても、腐る事をせず、部下達を厳しく鍛えていたのである。
ジャンヌが聖王を討つ為に、裏で声を掛けていた人物の1人でもあった。
しかし、サイファーは聖王討伐の後の事まで考えて、聖王討伐の時は静観していたが、この情勢を予想し、準備していたのだ。
ジャンヌも聖王になってからは、すぐにこの砦に多くの物資を送っていた。ここが最重要拠点になる事を、ジャンヌも理解していたからだ。
故に、多少数で劣っていても負けず、耐えられるのであった。
「さて、これで敵の士気が下がって、城壁戦も振り出しに戻った。もう少し粘ることができるか…………」
サイファーは目の前に布陣している敵を見つめて呟いた。
こうしてサイファーの采配で敵を食い止めている間にジャンヌ達が『日が落ちて』から到着したのだった。
砦の兵達に歓迎されながらジャンヌはサイファーと対面した。
「サイファー殿!遅くなって申し訳ない!」
「いいや、こうして援軍にきてくれた。助かったよ」
ガシッと硬く握手を交わした。
そしてすぐに作戦会議が始まった。
「王都は大丈夫なのか?」
「ああ、信頼できる部下を置いてきたし、この数ヶ月間、鍛えた文官達もいる。しばらくは大丈夫だろう」
ならばと、大きな作戦会議室のテーブルに駒を置きながら状況説明を始めた。
「さて、ジャンヌ団長の神炎騎士団がきてくれたおかげで戦力的には、五分となりました。砦の戦力と合わせて約3万の兵力です。ただ敵側にも増援がきました。当初は『ヨド傭兵団』が先陣を切り、後詰に『リーガル傭兵団』がいて、約2万の兵力だった。しかし、さらに援軍がやってきた。ブレイク傭兵団だ。これにより敵戦力は3万5千までになった」
ここで一息置いてサイファーは話した。
「敵にはまだ増援があると予想されます。できれば、この戦力で戦い、更に増援がくる前に決着を着けたい所です。意見はありますか?」
レグルスは手を上げた。
「各傭兵団の特徴を教えて下さい」
仲間にいる傭兵団によっても得意戦術が違う事に気付いたレグルスは尋ねた。
「いい質問です。まず、1番やりやすいのは先方のヨド傭兵団です。行動力があり、勢いに乗せると手が付けられませんがその分、単純で力押しでくる傭兵団です。少し戦術を使い、罠に嵌めればそんなに恐ろしくない相手です。ただ後詰のリーガル傭兵団の団長は切れ者です。ヨド傭兵団と対局で、戦術を重視する傭兵団です。ただ戦術に頼り過ぎて、臨機応変の対応が苦手だと聞いています。ここぞという時の地力はないと考えています」
なるほど。
ヨド傭兵団の戦力から削って行くのがいいかな?
各メンバーも頭で作戦を考えている時、サイファー隊長は最後の傭兵団に付いて話した。
「最後に、ブレイク傭兵団に付いてだ。この傭兵団は有名な事で知られているが、取り敢えず話しておこう。この傭兵団は大陸でも3本の指に入る精鋭傭兵団だ。軍の騎士団と同じく、戦う武器を統一しており、同じ流派の剣術を学ぶ事で有名だな。ヤツらの剣術の切れ味は大陸でも1番かも知れない」
「全員が同じ剣術を使うのか…………」
「そうだ。それに集団戦の訓練も取り入れている。破壊力は凄まじいものがあるだろう」
傭兵団といえば、失礼ながらゴロツキの集まりと言う印象がある。各自が勝手に戦うスタイルが主流だと思ったが、こんな傭兵団もあるのか。
「それは、もはや国の騎士団と言っても差し支えなさそうですね」
「その通りだ。このブレイク傭兵団が、次から参戦するのか、ヨド傭兵団の戦いを静観するのかで、戦い方が変わってくるだろう」
レグルス達はまた強敵の予感を感じていた。




