話し合いと新たな戦い
話し合いは続いたが、現状では警備を強めるのと、毒殺に気を付ける事で対策が取られた。
「解毒剤は常備しておき、万が一の時はすぐに飲むこと。毒の種類がわからなくとも、私の調合した薬ならどんな毒でもある程度緩和できる」
ドクターと呼ばれるカーラが薬をジャンヌに渡した。
「無論、毒見役も着けるし、神炎騎士団が食事を運ぶ」
「ありがとう。さて、私の事はここまでにして、本題に入ろう。中央にある経済の要である独立都市ナニワだが、有名な傭兵団を雇い入れていると報告があった」
「傭兵団ですか?」
レグルスは尋ねた。
「まだこの世界に疎いレグルスに説明しようか。大陸中央にある『永久中立都市』と言われている『ナニワ』だが、大陸を東西南北に移動する時に必ず通らなければならない最重要都市だ。なので各国が睨みを効かせており、軍を置くことを禁止されている。まぁ、警備兵程度の千人以下までの人員は許可されているが、盗賊討伐や、商人の護衛に傭兵団を雇っている」
ふむふむ。
ここは教えてもらったな。
「でも、軍を置くのがダメで傭兵団を雇うのがいいなんて少し変ですね?」
「まぁ、これは商人達の悪知恵だな。昔、独立都市を認めさせる為に、軍を常備させないと、各国の代表者の前で文面に載せた時に、逃げ道を作ったそうだ」
なるほどね。
商人はしただかとはよく言ったものだ。
「まぁそれに、傭兵団の主な仕事は商人の護衛だ。ナニワにずっと留まっている傭兵団は少ないのもあるしな。多分、普段ならナニワには5千程度の傭兵団しかいないだろう。もし、何処かが攻めてきても、足留めは十分できる。その間に、各地の傭兵団が集まり迎撃する仕組みだ」
「必ずナニワを守る為に傭兵団が集まってくるんですか?」
「ああ、契約の明文化はしてないが、ナニワは傭兵団の1番のお得意様だ。緊急時に駆け付ければ恩を売れるし、金払いも数倍良くなるから、必ず駆け付けるだろうな」
傭兵団の団長達二人が同意した。
「だが、向こうから吹っ掛けてきた宣戦布告だ。傭兵団は駆け付けても、各国の騎士団は援軍には来ないだろう」
「すみません。1つわからないのですが、中立都市と言っているのに、宣戦布告などできるのでしょうか?」
普通は戦争などできないよな?
レグルスの疑問はもっともだった。
「この書状を見てみろ。私が不当に占領した聖王国を守る為に話し合いをしていたら、一部の義憤に駆られた傭兵団が正義の為に行動に移したとある。万が一負けても、傭兵団のせいにするつもりだろう」
「そんな言葉遊びが許されるのですか!?」
「まぁ、何処の国も『わかって』いるだろうな。私が負けて死ねば、操り易い俗物がまた聖王になり、もっと民は搾り取られる事になる。そんな事は絶対にさせない!」
ジャンヌは立ち上がると、信頼する仲間達を見渡した。
「私はこれを期に、ナニワを占領するつもりだ。




