激闘の末に
片膝を着いた女神像ではあったが、動けなくなった訳ではなく、引きずりながらも動いて、両手で叩いてきた。
「油断するなよ!」
「誰に言っている!」
「わかってます!」
ジャンヌの言葉に答えると、そのまま女神像に攻撃を仕掛ける。そこにガルム達が戻ってきた。
「いい感じになっているじゃねぇか!流石はバルド様だ!お前ら、行くぞっ!」
ガルムは丈夫な鉄の鎖を何処からか持ってきた。それを女神像に投げてあっという間に縛り付けた。
「流石だな。私も見惚れてしまったぞ…………」
余りの手際の良さにジャンヌも目を丸くしていた。
「動けなくなって攻撃のパターンが今まで以上に単調になっている。避けるのは容易いぞ」
頭脳派のバルドは冷静に分析し、手に持ったハンマーを打ち込んでいく。
「問題は装甲が厚く硬い事か。神剣を持つレグルスが羨ましいぜっ!」
女神像の巨大な拳が地面に炸裂するも、動じず腕にもハンマーを打ち付けていく。
「バルド殿!そのまま打ち込め!」
ジャンヌが駆け出した。
バルドが打ち込むと、その上から更にジャンヌがハンマーを打ち込んだ!これで2倍の衝撃波が女神像に伝わり、腕さえも破壊した。
この怪物との戦い見守る両軍は、それぞれ正反対の事を思った。
神炎騎士団の兵士達は、団長達が味方で良かった。この人達がいれば安心だ!と、声援を送る者まで現れた。
逆に聖王の軍は、すでに膝を着いて降伏する者が続出した。あんな化物と互角に戦い………いや、押している強者をみて心が折れたのだ。
「どうして、あんな化物と戦えんだよ………」
目の前でこの世の者とは思えない戦いを見て、自然と声がでた。
「皆の者!良く聞け!」
戦いながらジャンヌが叫んだ!
「私は聖王を討伐した後、新たな【聖王】になる!私が目指すのは、今の聖王の様に私利私欲を満たす為ではない!このように強大な敵と戦い、民を守る為に実権を握る!だから最後まで私の戦いを見守って欲しい!」
ジャンヌの言葉は兵達の心に響いた。
「黙れ!まだ負けてないわっ!サッサと女神像に潰されるがいい!」
喚き散らす聖王に一瞬目を向けるが、すぐに目の前の女神像に視線を戻した。
「まだ動くか…………何処かに弱点などないのか?」
片腕でも叩いてくる攻撃を避けるのに体力を使う。まともに受ければ一撃で死ぬような攻撃に神経さえ擦り減ってきた。
「ハァハァ、もう少しって所だな。人間の急所である頭を狙うぞ!」
バルドの提案に頷き続いた。女神像は全身を叩かれたり、斬られたりしてすでにボロボロであった。
二人の行動を見てレグルスも女神像を駆け登り、首を斬った。
ゴゴゴゴッと女神像の首が落ちた。
ドガンッーーーー!!!!!
レグルスの斬った女神像は活動を停止したのだった。
「これでトドメだ!!!!」
バルドとジャンヌは女神像の額にハンマーを二重で打ち込み、頭を破壊した。
レグルスとほぼ同時であった。
こうして二体の女神像はただの石に戻ったのだった。




