王都を攻略せよ☆
聖王は絶叫した。
周辺国に【聖戦】をうたい、助力を命じたのに、ほぼ全ての国や都市から騎士団や傭兵の援軍を断ると言う書状が届けられた。
「ど、どうしてじゃ!何故、援軍を寄越さぬ!?」
この状況はザルバ枢機卿も予想外であった。
書状に女神様の神託を聴くことの出来ない聖王に尽くすことはできないという旨が書かれてあった。
聖王は自らの権力と金儲けしか考えていない俗物ではあったが、信者から巻き上げたお布施(お金)の一部を各国の有力者に融通して、権力を保っていたのだ。
政治的駆け引きはそれなりにあったのだが、女神の神託が王都だけではなく、西方の周辺国の聖職者に聴こえたのが原因であった。
聖王は下の者からの女神の神託があったと言う報告を、大勢の者の前で聞いていない。そんなものはでまかせだ!と、報告にきた聖職者を叩き出した経緯があり、『女神の神託』を聴いていないと、多くの者が知ってしまったのだ。
周辺国の兼愛なる信者は、女神の神託を聴いていない聖王に加担するのを嫌がったのである。
今までは存在するかもわからなかった女神の声が聴こえたのだ。
【女神様は存在する】
西方の国々は恐れおののいた。
そして、ジャンヌ・ダルクのこれまでの行いも功を奏した。
品性高潔
清貧を尊ぶ
これまで、聖王の嫌がらせに負けず、民の為に行動していた事は広く知られていた。
そのジャンヌ・ダルクと聖王が戦う事になればどうなるか?
自身の利益の為に聖王に与する者もいたが、ここで女神の存在が大きく現れた。
万が一にでも、聖王に協力して負けたら?
女神様の天罰が下る可能性や、信者の民達が暴動を起こすだろう。為政者にはそっちの方が恐ろしかった。
故に、どちらにも協力出来なかったのである。
ただ、何もしなければ、それはそれで叩かれるので、多くの国々や都市は物資を準備して、勝った方に、持って行くと言うスタンスを取ったのだった。
ジャンヌ達は斥候を出して急がず進軍し、遂に王都まで迫った。
「ようやく見えてきたぞ。あれがアストライア聖王国の王都だ」
今までの町と違い、石畳みの綺麗な町並みが見えた。そして、一際大きい王城も見えた。
「あの城壁を越えるのが第一の関門だな。進軍中に言った通り、民衆には被害を出すな!我々の目標は聖王唯一人である!真っ直ぐに王城へ向かうぞ!」
オオオォォォォ!!!!!!!
こうしてレグルス達は王都攻略へ乗り出したのだった。




