殲滅!
スキルにより力が倍増した神炎騎士団は、怒涛の勢いで神罰騎士団に突入した。
ただでさえ、隊列に隙間があり、勢いよく飛び込んできた神炎騎士団に対応できる訳もなく、前線は一撃で崩壊した。
「ウギャァァァァアアアア!!!!!」
神罰騎士団の悲鳴があっちこっちから響き渡る。
「慌てるなっ!確実に仕留めていけ!!!」
スキルで強化された騎士団は、疲れよりも有名な将軍バサラを討ち取った事によりテンションが上がっており、さらに敵が弱いと感じると、鬼神の如く斬り伏せていった。
士気の高い神炎騎士団に比べて、神罰騎士団は一撃で萎縮してしまい、すでに逃げ腰となっていた。
「ば、バカな!?強すぎる!何故だ!?神盾騎士団と戦ったばかりだと言うのに!」
デーブイ枢機卿は馬上で手綱を強く握り、震えながら見つめる事しか出来なかった。
そして遂に逃亡者が出始めた。
「に、逃げるなっ!戦え!!!逃亡者は自罪だぞ!!!」
そういうデーブイ枢機卿自身が、逃げ出す手前だった。
「まだ残っている神盾騎士団はどうして戦わない!?バサラ団長の仇を取ろうとする気概はないのかっ!」
「デーブイ枢機卿!神盾騎士団はバサラ団長の遺体を綺麗な状態で引き渡す事を条件に停戦を結んだようです!」
伝令が遠回りをして駆け付けた。
「襲いですよ!」
伝令を罵倒しても意味は無かった。
ぎゃっーーー!!!!
悲鳴がすぐ近くまで聞こえてきた。
恐怖を感じたデーブイ枢機卿は適当に言い訳を叫びながら周囲の者達と共に逃げ出した。撤退命令も出さずに自分達だけで。
「聖王から厳しい罰があるかも知れませんが、神炎騎士団が蛮族と手を組んだといえば、減軽してくれるはず。神炎騎士団は名実共に叛逆者となったのですから!」
騎馬で逃げていくと突然、天地が逆転した。
ボキッ!?
痛みは一瞬だった。
落馬して、重みで首の骨を折ったデーブイ枢機卿が最後に目に映ったのは、後ろから迫ってくる神炎騎士団だった。
何が起きたかと言うと、先程足留めを受けていた場所の近くで、新たに馬を転ばせるロープが新しく張られていたのだ。
足留め部隊であった神炎騎士団はバラバラに逃げていた小隊が再結集して千人規模の部隊へとなっていた。
最初から作戦で決めていたのだ。
「中隊長!こいつデーブイ枢機卿ですよ!」
「流石は聖王の腰巾着だな。自分だけ逃げ出したのだろう。お前達!我々は後方より奇襲を仕掛ける!バラバラで逃げてくる神罰騎士団を狩り取っていくぞ!」
「「了解!!!」」
こうして後方から挟み撃ちに合う神罰騎士団であった。




