帰路が進軍になった。
数日が経ち、バルドが動けるようになってから移動を開始した。
馬に乗りながらレグルスとジャンヌは話した。
「リタの情報だとここから2日後の地点にある『リケイトの丘』で待ち構えているようだ」
「リケイトの丘?」
レグルスが聞き直した。
「そうだ。ここは少し街道から逸れており、急な盆地になっている。先の戦とは違い、高い所や低い所がある為に、平地で戦うのと余り変わらないだろう」
「前から聞きたかったのですが、バサラ団長と話してこちら側に付いてもらう事は出来ないのでしょうか?聞けば、人望ある人物なのでしょう?」
ジャンヌはフムといった感じで頷いた。
「確かに聖王国の傑物ではあるが、頭の硬い人物でもある。開戦前に話してはみるが難しいだろうな。あの方は聖王国の乱れを何より嫌う。例え、聖王が俗物であっても、表向きは民に取って善政を行っていればそれに従う。そういう御方だ」
なかなか気難しい人物みたいだな。
こうしてレグルス達は敵が待ち構えているリケイトの丘へ進軍した。
「ジャンヌ団長、敵は神盾騎士団のみ布陣しております!神罰騎士団は目視できませんでした」
斥候の報告を聞いて首を傾げた。
「おかしいな?リタが偵察した時は神罰騎士団もいたはずだが………?」
「ジャンヌ団長、敵の数も1万5千と少ないです。恐らく神罰騎士団は離れた場所に布陣しており、神盾騎士団と戦っている最中に、背後を取ろうと言う作戦でしょう」
レグルスの言葉に、周囲の幹部も頷いた。
「ここは盆地になっている。遠くまで見渡せないからな。斥候を多く放ち、正確な位置を把握しておくか」
「しかし、神罰騎士団には同情しますね。女神様からの神託が無ければ見落としていたでしょうが、こちらが神託により動きを把握しているとは思っていないでしょうから」
周囲の者達も苦笑いをした。
「そうだな。さて、バサラ殿と話をしてくるか」
ちょうど神盾騎士団の使者が来たので、レグルスとジャンヌは数名の配下と共に向かった。
待ち構えていた神盾騎士団を見て、よく統制が取れていると思った。
そしてジャンヌ団長が言い放った!
「神盾騎士団団長、バサラ殿!これはどういう要件であるか!我々、神炎騎士団は蛮族討伐の任務を終え、王都へ帰還する予定である。この布陣はどういうつもりか、説明を求む!」
透き通る声が響いた。
「ジャンヌ団長、聖王直々の命である!蛮族と手を結び聖王国に仇をなそうとする貴殿を討伐する!」
バサラ団長は、そう言うと腰の剣を抜き構えた。




