神託
『………きこ………ま……すか?』
バッとジャンヌは周囲を見渡したが誰もいなかった。
「これは女神様………?」
「なに?」
次はピントが合ったように聞こえた。
『時間がありません。神託を伝えます。次の神器の場所がわかりました』
!?
レグルスは女神様の言葉に集中した。
『2つ目の神器は聖王が持っています』
「何だと!?」
ジャンヌは聖王が珍しい物を集める収集家だと言うことを思いだした。
「確かに聖王は金に物を言わせて珍しい物を集めていたな。その中にあるのだろうか」
『…………聖王は神炎騎士団の帰り道に、首都防衛の騎士団、神盾騎士団と、懲罰者を取り締まる神罰騎士団を配備し、神炎騎士団を葬ろうとしています。気を付けて下さい』
そう言って、女神様の声が途切れた。
「これが女神様の神託………』
ジャンヌは初めての女神の声に茫然としていた。
「俺も叡智の宝珠を授けてもらった10年前に聞いただけだったからな。久しぶりに聞いたぜ」
「バルドさん、これから大陸の情勢が変わって行くでしょう。貴方達に理不尽な要求をした聖王を倒す為にも力を貸して貰えませんか?」
レグルスの言葉にジャンヌも追従した。
「もし協力してくれるなら対等な取引をしていこう。食料支援と鉱石の売買の比率を上げると約束する」
バルドは寝たきりであったが、一言悪くない条件だと言ってくれた。
「バルドはまだ数日は動かせない。その間に蛮族………いや、バルド族との交渉に入ろう」
次の日になり、寝たきりのバルドの場所でガルムと数人の司令官と話し合った。
「本気ですか!バルド様!?」
「ガルム、すまない。俺がヘマしたばかりに苦労を掛ける」
「バルド様がいればいつでも再建できます!ぜひ俺もお供致します!」
バルド族との交渉は思ったよりスムーズに進んだ。バルドを始め、100人ほどの精鋭を側に連れることで了承した。
それ以上はまだ信用出来ない為に反乱を起こされたらヤバイという理由だった。
そして近日中に国境砦を後にすると話が着いた。
「ジャンヌ隊長、神盾騎士団と神罰騎士団の兵力はどれくらいなんですか?」
ジャンヌはテーブルに地図を広げながら駒を置いて話した。
「神盾騎士団は首都防衛の兵力の為に、通常で1万の兵力を保持しているわ。神罰騎士団は反乱など鎮圧の部隊のため、5千の兵士を抱えている。騎士団だけでみれば1万5千ではあるが──」
ジャンヌはバルドの連れてきた傭兵団団長ベイルとヴォルフ団長を見た。
「なるほど。他の傭兵団を雇っている可能性が高いですね」
「ああ、少なくとも兵力は2万以上いると思った方がいい。そして何より警戒すべきなのは、神盾騎士団の団長、『不動のバサラ』と言う2つ名を持つ団長が曲者だ」
聖王国にはまだまだ有用な人物がいるようである。




