邪神の使徒
黒いローブの人物は貴族特有の、優雅に頭を下げた。
「よくここまでたどり着いた。ひとまず、おめでとうと言っておこう」
ずいぶんと余裕のある態度である。
「貴様、邪神の使徒ブラッド・サクリファイスだな!」
「いかにも、私は邪神様の忠実なる下僕である『ブラド』と言う。勇者レグルスを待っていたのだ」
!?
「どういう事だ?」
敵の狙いがレグルスと聞いて、視線がレグルスに集まった。
「僕が邪神を倒せる人物だからか?」
ブラドは首を振って違うと言った。
「ようやく準備が整ったのだ。貴様らが持つ神器【叡智の宝珠】【収納の指輪】と我々が持つ【呪魂の腕輪】【光の鏡】と、邪神様の封印の神器が全て揃った!」
!?
レグルスの神剣ダインスレイヴがガチャガチャと音を立てるほどに反応した。
「なぜだ!さっきまで反応して無かったのに!?」
「ふっ、女神から神器を探せるアイテムを授かったと知って、結界を張り探索できなくしておたのだ。我々も長い間神器を探していたが、2つしか見つけられなかった。ならば、勇者に神器を探して貰えばいいと思い、インペリアル国を静観させ、戦争に介入させなかったのだ」
ジャンヌは今までの戦争での違和感にようやく合点が言った。
「今まで、何かと戦争が有利に進んだと思っていたらお前達が裏で手を廻していたのか」
「そうだ。神器が揃った今、邪神様の復活の準備も整った。そろそろ貴様らには退場してもらおう」
ガタガタッとイスに座っていた死体が動き出した。
「なぜだ?呪魂師のザキは倒したはず!?」
どうして死体を動かせる?
レグルス達が驚いていると、ブラドは教えてくれた。
「ああ、死体を動かしているのは、この呪魂の腕輪の能力ですよ。腕輪の力では数十体しか動かせれませんが、ザキのスキルで万単位の死体を動かしていたのですよ。ここにいる愚か者達は、永遠の命を与えると言ったら簡単に私の話に乗ってきた者の成れの果てです」
クククッと笑いながら死霊騎士を生み出した。
王族や貴族の死体は、不気味な声を上げながら襲ってきた。
「こいつら、自我のある死霊騎士か!?」
「貴方達は死霊騎士と呼んでいるのでしたね。特別に手を加えた死霊騎士は自我を持ち、通常の死霊騎士より手強いですよ」
レグルス達は最終決戦だとばかりに武器を構えて迎撃するのだった。




