潜入
すぐに指示を出し後方部隊から後退させていった。
「街中で高い建物を破壊しているレグルスにも至急伝えろ!」
はっ!!!
敵の注意を引くため、後退で遊んでいた部隊は静かに後退させ、前線で戦っている部隊を少しずつ下がらせた。
「よし!やれっ!!!」
少し後ろから煙玉を投げた。前線がざわめいた。
「今のうちに後退だ!派手に逃げろ!!!」
ダダダダッ!!!!
ワー!ワー!と騒ぎながら全力で走って後退していった。
視界が開けた所で洗脳兵が追ってきた。
街の城門の上から網を投げ更に動きを封じた。
「よし、ジャンヌ団長の代わりに副団長の私が指揮を取る!出来る限り殺すのではなく無力化させるぞ!」
「「了解です!」」
予想通り、見事に釣られた洗脳兵は愚直に追ってきた。足止めの罠など簡単に引っ掛かり、動きを封じる手が思った以上に通用したのだ。
そして──
「はぁはぁ………間に合って良かった」
レグルスが突入前に合流したのだ。
「お前は、よくやってくれた。もっとゆっくり来ても良かったんだぞ?」
「最終決戦に僕が居ないのは寂しいでしょう?」
ぷっ、アハハハと笑うジャンヌに、周囲もやれやれと言った感じだった。
「フフフッ、そうだな。なら、ひと暴れするとしよう!」
ほとんど居なくなった王城に突入した。
王城の中は掃除がされていないのか、外見とは打って変わり、廃城と言った感じだった。
「これは相当長い間、手入れがされてなさそうだね」
「ああ、もしかしたらもう王子達は…………」
それは邪神の使徒にすでに滅ぼされている可能性を示していた。
謁見の間へと続く階段を駆け上がった。
『誰もいない?』
全ての兵士が出ていった様なのか、誰にも止められる事なくたどり着いた。
そしてその大きな謁見の間の扉をゴゴゴッと大きな音を響かせながら開けると───
「これはっ!?」
玉座には誰も居なく、玉座に続く道の左右にいくつものイスが置かれており、そこには豪華なドレスや服を着た干からびた死体が座っていた。
ジャンヌ達は周囲を警戒しながらゆっくりと歩いていった。
「これはやはりインペリアルの王子達かもしれん。服に王族の刺繍やバッチが着けられている」
「でも、数が合いませんね。多くないですか?」
左右には25もの数の死体があった。
『それは、この国の大臣とその家族だよ』
バッ!と、剣を抜き最大限の警戒をするジャンヌ達。
声の主を探して周囲を見渡すと、玉座の後ろから黒いローブを着た者が出てきた。




