総力戦!
少しして、ゴゴゴゴッ!!!と、大きな音を立てて、時計台もどきが倒れた。
「よし!少しでも洗脳の音を減らせる事が出来れば…………」
ジャンヌが一呼吸吐いたと同時に、火急の知らせが届いた。
「大変です!王城の城門が開き、敵が討って出てきました!」
!?
「すぐに兵力を集中させろ!私もすぐに向かう!それと後方の部隊に退路を確保して置くよう厳命せよ!いつ洗脳状態の市民が襲ってくるかわからないからな!」
はっ!と、伝令は急ぎ走って行った。
「行くぞっ!」
オオオォォォォォ!!!!!!!
ジャンヌの周りの兵達が雄叫びを上げた。
『これは少なくても、敵の嫌がらせが効いたと見ていいのか?』
洗脳装置が壊されて、敵が焦って討ってきたのかと思ったのだ。
『まだわからないか。後方にも気をつけながら目の前の敵を倒すしかないか』
ジャンヌは急ぎ王城の城門へ向かうと、バルドの部隊が迎撃していた。
「お前らっ!気張れよ!!!」
おうっ!!!
バルドの配下の結束力は強く、うまく連携して数の少なさを補っていた。
「加勢するっ!神炎騎士団!突撃!!!」
ジャンヌの精鋭が加わった事で城門の戦いは押し返す事ができた。
しかし──
「兵力をここに集中させてきたか!」
城門の奥には敷き詰めるように敵兵の姿が見えた。
「これは総力戦になるな。次の一手を考えて置かないと、被害が増えるか」
ジャンヌはこの布陣をどう突破するか考えた。そこにバルドが戻ってきた。
「ジャンヌ団長、敵を捕まえてみたが、目の前の敵を殺せ殺せっと呟いている。確実に洗脳されている状態だ。それに気付いていると思うが、あれだけ敵が所狭しといては、全部倒さないと通れないだろう」
バルドはここで1度区切ると提案を出した。
「そこでだ。1つ提案がある」
「なんだ?この状況を打破できるのか?」
ニヤリッと笑っていった。
「洗脳状態の敵兵はまともな判断力がない。あくまでも目の前の敵を殺すと指示を受けている。なら、城門から派手に撤退して、街の外まで逃げるべきだ」
!?
「なるほど。レグルスの様な作戦を考えるものだな。定石の戦しか知らない私では考えられない作戦だ」
主力部隊を派手に騒ぎながら撤退すれば、敵兵が追ってくる。少数精鋭を脇道に身を隠してやり過ごし、手薄になった王城に攻め入ると言う訳だ。
バルドの短い説明できちんと作戦を理解したジャンヌはすぐに指示を出すのだった。




