洗脳
城を包囲しても突入出来ずにいる神炎騎士団は、民から情報を得ようと回復に専念させた。
「ジャンヌ団長!回復した民から情報が聞けました!」
!?
伝令の報告に、すぐに向かった。
「それで?今の状況は理解できているのか?」
ジャンヌの言葉にミリアとカーラが答えた。
「話を整理しますと、薬物中毒の兆候が見られました。どうやら、井戸に意識を朦朧とさせる薬物が入れられているようです」
すぐに街の水を飲まないよう伝令を出した。
「この平民の方から聞いた話では、王都の中央に大きな時計台のような建物が設置され、昼の12時などに音を鳴らして民に時間を伝えると言う話だったようですが、近隣の方々に耳鳴りがなると言う人達が増え始めた所から、この国がおかしくなっていったそうです」
考える様子で、カーラの見解を聞いた。
「この時計台もどきは、恐らく人の耳には聴こえない周波数の音を出して、人々を少しずつ洗脳していったのではないかと考えられます。耳の良い方などは、耳鳴りがなるように聞こえたのでしょう。更には、効き目が倍増するように意識を混濁する薬物を飲水に入れたのだと思います」
寝ている間も耳元で王家は絶対。逆らうな。命令に従えなど、ずっと聞かされればおかしくなるだろうな。
「では早急に時計台もどきを壊せ!少しでも人々を操る音を出す建物を無くすんだ!」
バタバタと多くの兵が周囲に散っていった。
「どうします?このまま城を攻めますか?」
「正直、迷っている。このまま時間を掛けずに一気に攻め落としたいが、人々が洗脳状態では後ろから包囲されかねん。しかも、城に邪神の使徒が居なければ、インペリアル国を落とした事にはならないだろう」
1時間以内に出来る限り周囲を調べてから城攻めに掛かる事に決まった。
「レグルスは済まないが、時計台の破壊を頼む!神剣なら簡単だろう?」
「了解しました!その他の高い建物も確認してきます!」
レグルスは小隊を引き連れて走っていった。
「我々の真の敵は邪神の使徒だ。奴らの狙いはなんだ?国1つを洗脳して、何をやろうとしている?」
ジャンヌは王城に敵がいるのか、別の目的ですでにいないのか、この後の戦について考えた。
「後方には気を付けるとして、まずは王城を落とすしかないか…………」
ジャンヌは敵に行動の選択を握られているような気がして不安が残るのだった。




