突撃!
矢の雨を潜り城門の前までやってきた。
「さて、さっさとぶっ放すとしようかね」
メビウスを守りながら詠唱の時間を稼ぎ、遂に魔法が放たれた。
ドッゴーーーーーーン!!!!!
意外な事にメビウスの魔法で城門が破壊され、突入できるようになった。
「やったな!」
「はぁはぁ、ああ……………後は頼むよ」
魔力を大量に使い立つのもやっとなメビウスを下がらせた。
このスキを狙い、下から弓矢を放ち城壁の上にいる敵の弓隊を牽制し、歩兵がそのまま突入した。
「すぐに城門の上に登り上の弓隊を無力化せよ!」
ウオォォォォォォォ!!!!!
歩兵が雪崩込んだ。
「レグルス!城門の向こう側はどうなっている!」
城門の後ろに兵を用意していると思っていたが、予想に反して『誰も』いなかった。
「敵兵なし!民兵もいません!」
城門を抜けて突入経路を確保したレグルス達は、弓兵の捕縛に力を入れた。
「捕らえた弓兵はどうだ?」
「ダメです。完全に精神が壊れています。城門の外にきた敵は殺すとブツブツ呟いていて、会話になりません」
唯一の敵兵であったが、情報は手に入らずだった。
「街中はどうだ?」
「まだ入口付近ですが、人っ子1人いません。ただ、建物に閉じこもっているようで、誰もいない訳ではないようです。恐らく、建物から出るなと命令されているのでしょう」
ジャンヌはいくつかの家の扉を壊し、中にいた市民を引きずり出した。
「どうだ?」
同行していた医療班で薬師のカーラと治癒魔法が使えるミリアの二人が、目の焦点の合っていない民を診察した。
「治癒魔法は効果がありません」
ミリアは首を振った。
カーラの方は少し改善が見られた。
「こちらは効果あり、解毒剤の薬草が効きました」
!?
目の焦点が合い、まだ拙いが言葉を話せる様になっていた。
「ミリア、解毒の魔法を掛けてみてくれ」
ジャンヌの予想通り解毒の魔法も効果があった。
「おいっ!聞こえるか?何があったか話せるか?」
ジャンヌはバルドに命じて兵を王城の手前まで進めて王城を包囲させた。そして、手の空いている兵を動員し、王都を調べさせた。
「妙だな。本当に民には家から出るなと命じただけなのか?」
今は少し回復した民の情報が必要であった。
何かあった時の為に、一部の兵は城門前に待機させている。
後は王城を攻めるだけではあるのだが、この奇妙な現象を確認せねば、危険な事になると直感が囁いていた。




