勝利!
リタはザキに何度も斬り込んだが、その度に反撃を受けて傷を負っていった。
「そろそろ諦めたらどうだ?」
死霊騎士が減ったとはいえ、まだ居るのでリタは死霊騎士の攻撃を避けながら対応しなければならず体力を削られていった。
「はぁはぁ、冗談でしょう!」
息を切らせながら強がった。しかし、限界が近いのも事実だった。
そして『その時』は突然にやってきた。リタの大型ナイフが弾き飛ばされたのだ。
瞬間的にリタは飛ばされたナイフを追った。
それは、城壁の壁際でありもう少しで落ちる所だった。
そのリタを倒す好機と思い、壁際まで追ったザキがいた。
それは当然の流れであった。
だが、それが勝敗を分けたのだった。
壁際まで追った事により、平原から城壁の上にいるザキの姿が見えたのだ。
ザキがリタに剣を振り落とす瞬間に、下の平原から弓矢が飛んで来てザキの額を撃ち抜いたのだった。
後ろに倒れるザキを間を置かずに神獣化したフェンリーが喰い千切った。
この一連の流れをリタは呆然と見つめるしか出来なかった。いや、何が起こったのか理解出来なかったのだ。死霊騎士が突然に、バタバタと倒れてからようやく倒したのだと実感が湧いた。
フェンリーはその場に倒れた死霊騎士を叩いていたが、少しして人間の姿に戻ると倒れてしまった。
「はぁ~フェンリーのスキルは使い勝手が悪いわね。敵に囲まれた時しか使えないわ。しかも、終わったら倒れるって普段は使えないわね」
フェンリーを担ぎながら砦を出てゆくリタに、ジャンヌが駆け付けた。
「リタ!無事か!?よくやってくれた!」
ジャンヌがリタからフェンリーを担ぐと労ってくれた。
「もう!本当に死ぬかと思いましたよ!」
頬を膨らませて拗ねるリタの頭を撫でた。
「無事で良かった。余計な犠牲者を防ぐ事ができた。本当にありがとう」
ジャンヌの素直な御礼にリタは何も言えなくなり目を逸らすのだった。
「それより下から弓矢が飛んできて、敵の首領を貫いたのですが?」
「ああ、それはエルミアだ。城壁の上が騒がしくなってから狙っていたそうだ」
流石は弓の名手のエルフだわ。
リタが御礼を言おうとフラつきながら歩き出すと───
「あ、そうだ。たいした怪我もなさそうだし、これからの行軍の為に、インペリアル国の偵察もよろしくたのむ」
ピシッ
ジャンヌの一言にリタは、こんなブラックな職場は嫌だーーー!!!うわぁぁぁぁんと、泣きながら走り出そうとしたが、体力が尽きて倒れるのだった。
「どうしたんだ?」
うわぁ~ジャンヌ団長って鬼畜だよな?
ヒソヒソとレグルスやミリアがリタに同情するのだった。
そして、砦に入り戦の事故処理に入るのだった。




