再会
レグルスはジャンヌ団長との会話をした後、中庭を通った。
「うん?あれは──」
中庭では一部の兵士達が訓練をしていた。
「おう!久しぶりだな!元気だったか?」
声を掛けてきたのはバルド族の長であるバルドだった。
「そちらも元気そうですね。それとガルムも頑張っているみたいだね」
「ああ、バルド様だけ働かせる訳にはいかないからな!俺が部下達をしっかりとまとめて指示を出している」
相変わらずの忠誠心だなと心の中で思うレグルスは苦笑いをしながら尋ねた。
「ジャンヌ隊長に報告したばかりだけど、変わった事などなかった?」
バルドは何かを考えながら言った。
「お前が亜人の国に行った後、俺達は西側のインペリアルの国の国境付近に軍を派遣した。今もそこで布陣して睨み合い状態だ」
!?
「なっ!?そんな話は聞いてないぞ!国境線にある【絶壁の砦】攻略の為に弓の名手であるエルフの協力を得にいったはずだろうに…………」
「ジャンヌ団長の悪い癖だな。お前に心配させたくなかったのだろう。それと、お前を信じていたんだろうな」
僕を信じていたのになんで?
バルドの言葉にレグルスは怪訝な顔をしたが、バルドはニヤリとして言った。
「お前が必ず援軍を連れてくると確信して、すぐに動けるように準備していたんだよ」
バルドの言葉にようやく納得いった。軍を動かすには時間が掛かるものなのだ。援軍を待ってから準備すれば、向こうの国に行動を察せられるし、逆に進軍される危険もある。
先に軍を展開し、前線基地を構築して周辺の調査をしつつ敵の行動を見張れば、そのまま援軍の到着を待ってすぐに攻めることができる。
バルドの言う事ももっともだと理解した。
「理由はわかったよ。後でジャンヌ団長に確認しておく。それでインペリアル大国と戦ったの?」
「いいや、【絶壁の砦】からいっさい出て来なかったぜ。絶対落とせないと自信を持っているのか、俺達を甘く見ているのかわからないがな」
なるほど。
まだ開戦はしていないからまだ余裕があるのか。
「しかし、お前達が思った以上の数の援軍を連れてきた事で数日中には出陣の号令が下るだろう」
約8千の亜人の軍だ。維持するだけでも出費が掛かるからな。今や西側と中央、南すらも同盟を組んだ関係だ。北は中立を貫いているから、東の大国を陥せば、とりあえずの平和な世が訪れるはずだ。
レグルスは気を引き締めてその場を後にした。




