反抗期男子は受験が大嫌い、だった
反抗期男子の受験の話
少年?青年?この時期ならではの考えを想像してみました。
夜の空気に、侵食されてしまいそうになることがよくある。
朝の日差に、感傷的になるのは毎日のことだ。
受験っていうものが、人生にはある。
俺はそれが嫌だ。
勉強なんて嫌いだし、
別にどこにいってもいいだろって、
思ってる。
親とか、センセーとか、周りの大人達が口並み揃えて
「勉強しなさい。」
なんて言うもんだから、
仕方なく勉強机の上でスマホを弄っている。
勉強してるフリ。
夜遅くまで、社会勉強と称し片手サイズの世界と睨めっこしては、
目を悪くし続けた。
そんな時、俺を産んだらしい奴が来たから、
俺は慌てて即座に片手世界をシャットダウンした。
「日付越えるまで勉強して偉いね。」
とかなんか言いながら、
暖かいカフェオレをくれた。
何か言おうとしたのを、カフェオレで流し込みながら
偽装用の勉強道具を取り出した。
冬の夜は冷える。
外が嫌味ったらしく静かだ。
勉強が嫌いだ。
受験も、大嫌いだ。
でも、周りの奴らが毎日勉強して、
毎日頑張っているのを知っている。
クラスの奴らが、
塾の奴らが、
部活が同じだった奴らが、
寝不足になりながら勉強している。
知っていた。
自分ができないから、
嫌いだと、したくないと言っていた。
したくないんじゃなくて、
できないんだ。
できないんだよ。
筆箱の中身はほとんど新品のものばかりだった。
少しは使ってやるか。
ぬるくなったカフェオレをぐいっと喉に流し込んだ。
シャー芯を入れて、片手世界を充電器にさした。
さっきまでカフェオレの入っていたマグカップがほんのりと暖かかった。