9.タキは、異世界で処女作を作る3
9.タキは、異世界で処女作を作る3
200個ほどの作品群の中で、まともに焼けたのは、30点ほどだった。後はヒビが入ったり割れたりしていた。
30点ほどのの良品のなかに極めて異質な作品が一つ。形状は茶碗。色は漆黒の中にキラリと光る魔力結晶?二度と作れないのではないかと思われる程の作品がそこにはあった。
穴窯のドウギといって、ドーム手前にある空間の1番炎が当たる場所にあった作品。
魔術師たちの火魔術がそそがれ続けた器。
仮定だが、魔力には人それぞれ色があり、色の違う魔術師たちの魔力が混ざり合った結果、漆黒になったのだと思う。
生前の知識では、化合物として鉄を10%近く釉薬(陶芸の塗料)に添付すると黒くなるのだが、鉄などくべていなかったので、今回は、魔力のせいだろう。
早速、出来上がった作品を魔術師を手配してくれた父マキに見せてみた。
タキ「父様。実験の研究結果をお持ちしましたのでお時間頂いても宜しいでしょうか?」
父マキ「なんと!もう結果がでたのか!?
早速みせてくれ」
タキ「こちらが研究結果でございます」
異世界チャーワンムにはない素材の陶器の器を披露した。
父マキ「このピカピカした器状のモノか?
これは、食器であるな。。。
何と美しい。。。
吸い込まれるような漆黒。
ガラスのようでガラスではない。
素晴らしいではないか!
この器が公になれば、食卓が変わるぞ!」
父マキ心の声(これは、ツカナギ家に反映をもたらすモノになるやもしれんな。)
チャーワンムの世界の食器は、平民で木材、貴族以上で銀の器が主流だ。中には平民でも銀の器を使用しているが、食材を盛る為だけの簡素な作りになっている。
陶器の様々な色の器が世にでれば、食事がより一層楽しくなるはずだ!
タキ心の声(作品を発表するタイミングを考えなければならないな。兄アキより功績を収めるのも角が立つ。
それと、チャーワンムの美術世界をもっと知った上で行動した方が良いかもしれん。
父様と兄様に少し休憩を頂き、美術探訪にでも出掛けるか。)




