飛んできたごはん
ママの様子を見ていると、そわそわする時がある。
そのうちに奥に行き食べ物の籠を取っていた。
だから、ママがそわそわし出すのを見計らい
わたしもついていった。
ママはわたしが付いて来るのを見て一瞬動きを止めるのだけど、それだけだった。しっかりとついていく。
そうしたら見えたのだ。
食べ物の籠が飛んでくる。
ママが上手に受け止める。
わたしはママに手を振ると
いつもの様にご飯をくれた。
次の日、わたしはママよりも先に奥の明るいところに行ってみた。
そうすると明かりの先に大きな影がみえた。
地面を滑らせる様に食べ物の籠を投げて来る。
わたしはバシッと受け止めてママのところに持っていった。
ママは驚いていたけど、わたしが籠を渡すと笑顔になっていつもの様に取り分けてくれた。
嬉しかった。
何回か食べ物を貰ってわかったことがあった。
ママがいくと籠飛んでくるけど、わたしが行くと地面を滑ってくる。
食べ物はママからではなく、誰かから貰っていたこと。
お家の奥の光の先にはきっと楽しいに違いないこと。
わたしは光の先の何かに吸い寄せられた。
ママの手をとって引っ張ってみたけど一緒には来てくれなかった。
ずっとママと一緒だから一緒にいきたい。
遊びにいきたい。
一度考え出すとその思いはどんどん強くなっていった。