表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/56

名前を忘れるリサ

「あれ…?」


その時、タオルに包まれた何かを見つけた。

「…鏡?」


銀縁の、細かい細工がついた鏡。


(久しぶりだね、リサ……)


「え…」


鏡を自分に向けているはずなのに。それなのに鏡に映るのは私じゃなくて…青い髪の、耳が長く尖った美しい男性。


「誰…?」


(忘れてしまったのかい?)


ふっと、体が無重力に投げ出された。


真っ暗な闇の中、一人佇んでいる男性…。


「私は環。君が付けてくれた名前だよ」





「環……あっ!」


思い出した。私が…寂しくて勝手に空想した人物。


「勝手に想像しただなんて。

私はちゃんと初めからいたのだよ?」


「えっ?!…私の心、読んだの?」


やだ、どうしよう!心の中読まれちゃうって…変な事考えられないじゃない。


「えっと…ごほん!

リサ、君は今の世界に満足かい?」


少し顔を赤らめたのは私のはしたない妄想でも見てしまったからなのだろうか。環は咳払いして聞いて来た。


「満足…なんて全然してない。私だけが不幸だよ…」


どうして私には両親がいないのだろう。どうして私は肌がこんなにも白いのだろう……どうして…私は大学に行けないのだろう。


「では…別の世界へ行ってみないか?」


「別の世界?」


「そう。人間がほとんどいない世界」


人間がほとんどいない世界…一体どんな所だろう。


「勿論、高校も大学もないよ。

付け加えるなら皆女性だけで友好的。男なんてほとんどいない」


私をいじめる男子達がいないんだ。


「行ってみたい…」


もう今の世界なんて嫌。


「では…この杖に触れて」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ