アックスという人
「…何をしている?」
夢中になって魚達を集めていると黒髪のマーマン、アックスがやって来た。
「…津波で打ち上げられた魚達を海に帰しているの」
私はこの人が苦手。初めに私を殺そうとして来たし、セルシアの事も嫌いみたいだし。
「お前は変わりもんだな」
そう言ってアックスも生きている魚達を拾い、籠に入れる。
「コイツら、海に帰してもすぐに死んでしまうかもしれないぞ?」
そんな事をいいながらもアックスは私よりも速く魚達を拾い集める。
「うん。でも、やっぱり息が出来ないのって凄く辛いと思う。
私は人間だからそれは凄く分かるんだ。
小学校…小さい時にね、プールで水中に沈められた事があってね。その時本当に息が出来なくて苦しかった…」
「……」
一瞬アックスの手の動きが止まる。
「俺だったら……そんなヤツ逆に沈めて殺してやる」
「あは…アックスは強いからそんなこと言えるけど。私は弱いから…相手を傷付けたら痛いだろうと思っちゃう」
やり返すことなんて出来ないよ…だって、痛いのは皆嫌だと思う。どんなに憎くても…。
「お前は…本当に変わりもんだな」
「うん。これが私だもん。
あ、それよりアジトの皆は平気?」
「アジトは頑丈だから中にいる奴は何ともなかった。海に出ていた奴等も心配ない」
ん?もしかして




