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歌が聞こえる


「随分と仲がいいんですね」


「やだ、ロドニーったらからかわないでよ」


灰色のマーマン、ロドニー。

彼はマーメイドと結婚したが、妻は王国軍に捕まり処刑された。


「セルシアも掟掟って言ってないでリサと結婚してしまえばいいのに。

女の子の中は柔らかくて温かくて気持いぞ~」


「ちょ、ちょっとロドニー!」


セルシアは頬を真っ赤に染め、ロドニーに飛び掛かる。


「おっと…2人ともまだ経験なかったか!カッカッカ!」


「……」


彼の言うとおり、私は経験ないけど…。セルシアはどうなんだろう?


「悪かったな童貞で!俺の初めては一生添い遂げる娘に捧げるんだよ」


ガシガシとロドニーの頭を掻き撫でるセルシア。


「セ…セルシアも経験ないんだ…」


ぼそりと言った私の一言に真ん丸な目をしてセルシアは向き直る。


「おー、ちょうどいいじゃないか。

今一緒の部屋に暮らしてるんだろ?今夜あたり…ゲフッ」


「ったく……

結婚は、この海が平和になるまで出来ないから」


ロドニーを黙らせたセルシアは私の持っている果物の入った籠を持ち、スタスタと歩き出す。


「セルシアは好きな人とかいないの?」


「なっ…う…今のところは。

君の事は好きだけど……」


「えっ…」


今、好きって……言った?


「もうっ……初恋の相手にそういうこと聞かれるのって辛いんだけど…」


ゴニョゴニョと言っているそれはよーく聞こえてしまい、彼の後ろを歩く私は顔を下に向けながら真っ赤な顔を隠した。


「……そろそろ戻ろう」


「うん。

…ん?」


なんだろ……歌が聞こえる。

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