男子は野蛮だ
まるでこの話しは終わりと言う風に次へ振った。
「後は…セルシアはどうしてマーライズ様を殺そうとしているのですか?」
「それは……奴にとって妾は母の仇だからじゃ」
「……」
セルシアが死を覚悟した時、母の仇を討てなかった事を悔やんでいた。
「セルシアの母マーライトは体が弱くてな。それでも何度も子を望んだのじゃ。
そしてある日、禁忌である他種族の男と交わりマーマンを、セルシアを産んだのじゃ」
私はマーライズの話を聞きながら色々と考え、憶測を巡らせる。
「妾はマーライトにセルシアを手離せと説得した。
だが、我が娘は妾と縁を切ってセルシアを手離さぬ事を選んだ。
その結果。王族でなくなったマーライトは妾の私兵に捕らえられ、監獄に投獄され…其処で死んだのだ」
つまり、セルシアはマーライズの孫?!それなのに殺し合いをしているなんて…。
「マーマンと…セルシア達と一緒には生きられないのですか?」
「それは無理な話じゃ。
男は争いを好み、女を奴隷にし、自分のいいようにしか使わないじゃろう?
妾達マーメイドは女だけでも繁殖可能な種族。野蛮なマーマンなど必要ないのじゃ」
確かにそれは一理ある。男子は野蛮だ。
彼女がいるのに私には口汚く罵って来たし、いじめるのも男子ばかり。
マーライズの話は正しい。




