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一目惚れしたか?
人魚達が一斉に金色の人魚に駆け寄る。
マーライズ?この人魚が人魚の女王…。
「リサ!マーライズ様に何をしたの?!」
一斉に向けられる敵意の瞳。
「私は何も…」
慣れた光景。でも…環は人魚は皆友好的だって言ってたのに…酷いよ。嘘じゃない!
人魚も人間も、皆同じだ!
「待て…皆の者。
其奴は何もしておらぬ…」
マーライズは立ち上がり、私の前に立つ。
「お前は創造主の子に会ったのか?」
「創造主?」
「お前が環と呼ぶ者だ」
サファイアのような目で私を見つめるマーライズ。…あれ?この顔……セルシアに似てる。
「環は…私の友達よ。この世界に連れて来たのも環よ」
「分かった。それは信じよう。
だが、答えよ。何故セルシアを庇った?」
セルシアに似た顔に問われ、私はカッと顔が熱くなった。
「…あやつに一目惚れしたのか?」
「!!」
ボンッと顔が弾けそうな程、私は真っ赤になった。
「そうか…
だが、奴はマーマン。世界を滅ぼす存在だ」




