第一話 プロローグ
作品に対する批評がしりたい。どうか感想お願いします。
私の名前は了。私は今、夢幻界と呼ばれる異世界で生きている。もともとは人間世界で暮らしていた。それがあることに巻き込まれてしまい、異世界に飛ばされてしまった。
この話はまた今度語ろう。
夢幻界は古風なヨーロッパを想起させるような建物が多く建築されている。よく語られる異世界だとおもうだろう。しかしあることが違う。
夢幻界とは、価値のないものが行き着く世界である。そのためか、この世界の人々はどこか闇を持っている。
また、人間のほかに魔物が存在し、奇跡や魔法、マジックアイテムも存在している。
そんな異世界で私は、何でも屋を経営しており、依頼者の願いなら文字通り何でも請け負っていた。浮気調査から果ては警察の真似事もしていた。
そんなの何でも屋に老夫婦の依頼人がやってきた。
私は客間に存在するソファに依頼者である、夫婦を座らせて依頼内容を聞いた。
依頼の内容はこうである。三日前から、娘が帰ってこない。連れ戻してほしいというものだった。夫婦は心配そうに内容を語った私の心は夫婦の子供を心配する気持ちに打たれた。
私はとにかく何とかすると答えて酒屋に向かった。
酒屋には平日から人がごった返していた。そんな中、金髪と黒髪が混じった美しい少女を見つけて声をかけた。
少女の服は現代のtシャツとジーンズだった。
「よう菫」
その言葉にカウンター席に座っていた少女こと菫は、こちらを向いた。
「なんだ了か、いったい何の用だ」
「情報やのお前に聞きたいことがある ある子供を探している」
そういって、彼女に老夫婦から聞いた子供の特徴を話した。すると菫は酒をあおりながら、答えた。
「被害者が子供なら、どっかの誰かに連れていかれたと思うぜ」
「なに、ならばその子を助けたい」
そう彼女に迫った。すると彼女は、あきらめろと口にした。
「この世界で行方不明なんて、誰かに殺されているだろ」
その言葉に私は反論することができなかった。この世界は、人間社会のような法律や秩序はなく社会形成が未発達であった。それならば犯罪が横行するのも当たり前ことだった。
「ならば、その子供の遺体を回収したい」
老夫婦の顔を思い出し、死んでいるなら亡骸だけでも連れて帰りたいと思った。私の言葉に菫は、
「やなもんみるだけだぜ」と答えて、ポケットから紙とペンを取り出し、地図を描いて私に手渡した。
「おそらく、ここら辺にいるんじゃないか」
「そうか、ありがとう」
そう言って居酒屋を飛び出し地図をもとに街を歩き回った。
時は夕刻、私は様々なところを駆け回り、ようやく子供が入りらしき場所にたどり着いた。
子供がいるとされる場所は貧民が住むゴミ箱のような吹き溜まりであった。そしてそこらにいたホームレスに子供を見なかったかを尋ねて、
相手は近くにあるマンションに見知らぬ子供がいたと話した。私はその情報を頼りにマンションの中に入っていた。
マンションの扉を一つずつピッキングで扉を開けていき、中をのぞきこむ。何度も何度も繰り返しているうちに、異臭漂う部屋にたどり着いた。
私は冷汗を書きながら子供が無事でいてくれという願いでゆっくりとドアノブを回した。扉はギィと音を立てて開いた。私は中に人がいないか確認して部屋に入り込んだ。
内装はカビやゴミで汚れていた。そして部屋を注目していると、この部屋の住人は男であることが分かった。
「だれもいないか」
私は靴のまま中に入り込んで部屋の中を確認してゆく。しかしどこにも子供がいないあるのはゴミだけであった。
ゆえに私は菫の死んでいるという言葉を思い返して、嘘だと言ってくれと思いながらゴミをかき分ける。するとゴミの中に大きなぬいぐるみがあったしかし、
ただの薄汚れたぬいぐるみではない。血で汚れた大きなぬいぐるみだった。私は心の中で神様と叫んだ。そしてゆっくりとぬいぐるみを破った。
中には目当ての子供はいた。しかし死んでいた。私は脂汗をかいて、どう夫婦に説明すればいいんだと胃が痛くなった。私は何でも屋を始めてからたくさん死体を見てきたが、
やはりなれないものだった。ぬいぐるみの中に入れたのは死体を隠して廃棄する為だろう。
ぬいぐるみから遺体をゆっくり取り出して、部屋のそこら辺にあった袋に静かに入れていく。
遺体を取り出す最中、どうしてこの子供が殺さればならなかったか、自問自答を繰り返していたが永遠に答えは出ない。そんな事を考えていると扉が開く音がした。
どうやらこの部屋の主が帰ってきたらしい。そして私の目の前に現れた。男の姿は中年でありふれた男であった。男は私を見て誰だと叫ぶ。
「私の名は了、てめえ子供を殺しやがったな?」
その言葉と同時に男は懐からナイフを取り出して私にとびかかった。ナイフは私の内臓をえぐろうと目前まできた瞬間、私はマジックアイテムを発動した。
〈アイアン〉
その瞬間私の体は鉄と化した。私が使用したものは『エルカード』と呼ばれるマジックアイテムで、使えば特殊能力を授けてくれる。このカードで私は体を『鉄』にした。
ナイフは内臓を貫かず、私の皮膚で止まった。男はそれに驚愕の顔になっていると、私は相手の顔を拳でたたきつけた。拳は見事命中。
相手は壁に叩き付けられて意識を失ってしまった。それを見て私は大きくため息をついた。
こうして私が受けた依頼は完遂された。子供は死んでしまっていたが。子供を殺した男は管理所と呼ばれる警察組織に連れていかれて、子供を殺した理由の供述に夜空に浮かぶ[
[青い月]を見て、幸せな家族を壊したくなった。と話した。
残された夫婦はただ子供が死んでしまったことにただ悲しんだ。推理の余地もない殺人だった。夢幻界にはこうした理不尽な事件がたびたび起こる。
私が異世界に来たときそう説明されたが、どうもやりきれない思いがあった。私は今日もこんな世界で生きていく。