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第0話 転生

つまらないですよ。

 今まで何気なしに生きてきた。そういうことも突然終わりを向かえる。

 普通のサラリーマンだった僕こと名護 水果(なご みずか)はある日車にはねられて死んでしまった。


 はずだった。いや、はずだ。なのに何なんだこの白い空間は。

 しばらく辺りを見渡していると、突然どこからか声が聞こえる。若めの女の人の声だ。

「あなたは不慮の事故で死んでしまいましたので、私の世界で転生してやり直す権利を得ました。」

 すると、僕は

「結構です。」

 と言い放った。

 新世界の神?とやらはその反応を予想していなかったらしく、ぽかんとした表情だ。

 かという僕も状況を理解していないけど…

 気を取り戻したのか女神?はこう言う。

「これから転生の準備を始めます。なにかご要望はありますか。」

 ちょっと待てよ。あれ、僕って断らなかったっけ。そう思ってもう一度言う。

「結構です。」

 すると、

「ご要望はないようなので転生を始めます。」

 えっ、いやいや。無視ですか。こちらの要望だぞ。なんか白い光に包まれてるし。わぁ、待って待って。



 それは権利じゃなくて義務って言うんだよ‥‥‥

失踪しないといいですね。(他人事)

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