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61日め 発展魔法陣製図:マジックベアリングスタンドの製図【1】

61日め


 ギルの耳がヒレ状に。半魚人みたい。


 ギルをおこして食堂へ。昨日の夜は調子よかったんだけど、なーんか微妙にぶり返した感がある。目がかすむしちょっぴりの寒気も。ここのところ忙しかったし、季節の変わり目の体調を崩しやすいじきでもある。気を付けなければ。


 そんなわけで体調を考慮し、今日は健康志向の野菜ドリンクを飲んでみることに。いろんな野菜が使われているのか、いろ合いがちょっと毒々しい。ただ、野菜特有の青臭さはけっこう控えめで、思っていたよりかは甘くてごくごく飲める。


 『きゅーっ♪』ってちゃっぴぃがのませろとせがんできたので、そのまま飲ませてやる。『げふぉぁッ!?』って盛大に吹き出しやがった。ばっちぃ。


 で、ちゃっぴぃはぴすぴす鼻を鳴らしながらロザリィちゃんの元へと駆けていく。どうやらあいつ、、俺が飲んでいたのを普通のジュースだと思っていたようだ。野菜がダメだとか、まだまだおこちゃまだと評価せざるを得ない。


 今日の授業はシキラ先生の発展魔法陣製図。シキラ先生はフィルラドを見て、『よう、二年生初めての重傷者じゃねえか! 傷は魔系の勲章だよな!』ってゲラゲラわらっていた。


 『良いこと教えてやるぜ? 重傷で体が動かないってことにしておけば、女子がそらもうびっくりするくらいに甲斐甲斐しく面倒見てくれるんだ! ありゃあ一度は体験しておきたい男のロマンだぜぇ……!』って大変不純なアドヴァイスも。


 フィルラドの奴、『詳しく教えてください!』ってめっちゃくいついていた。その直後、アルテアちゃんがフィルラドに全力ケツビンタ……はまだ危険だと思ったのか、普通のデコピンを放つ。


 シキラ先生、それを見て『なんだよ、すでに十分いちゃついてんじゃないか!』ってアルテアちゃんを煽って遊んでいた。アルテアちゃん超真っ赤。シキラ先生のエンターテイナーっぷりには驚かされるばかりである。


 ちなみにあの人、あの事故のときバルトやアエルノの人に講義をしていたらしい。『正直授業すっぽかして現場に行きたかったよね!』って超笑顔で言っていた。あの人はそういう人だ。


 さて、今日から製図もあたらしいところに入る。三番目のテーマはずばりマジックベアリングスタンド.魔法陣と言うよりかはよく使う魔法要素……にセットでついてくるオマケの部品の製図ね。


 これを語るにはマジックベアリングについての説明がひつようだろう。魔道具や魔法陣の中にはいわゆる回転部分、すなわち動力と直結する軸の部分なんかがちょくちょく存在するわけだけれど、この回転部分をほかの魔法陣や要素と連結させるとき、どんな風に魔法的に固定するのかってもんだいが出てくる。


 うん、回転しているわけだから、普通に固定したらそもそもそもの回転が出来なくなってしまう。かといって回転状態をたもつとなると、その魔法要素周りの固定、すなわちそれそのものを支えることが出来ない。


 これは困ったどうしましょって時に出てくるのがこのマジックベアリング。これ、大雑把に内輪、外輪、真球、保持器の五つの要素で構成されるものであり、見た目は少しドーナツに似ているワンダフルな代ものね。


 内輪の周りに沿うように隙間なく真球をせっちしたそれに、外輪をはめ込み、内輪と外輪の間のボールが外側に堕ちないようにするための保持器をセット。これがマジックベアリングの基本的な構成だ。


 こいつを使うとどうなるか。内輪の中心に回転軸(動力部)をセットすることで、内輪はめっちゃ回る(動力を伝える)。そして、内輪と外輪の間の真球がすんげえきもちよくコロコロ転がってくれるため、外輪を固定したとしても内輪の回転が阻害されることはない。


 そう、マジックベアリングとは、一つの魔法要素内に回転と固定を併せ持つものであり、これのおかげで本来固定したり触れたりすることのできない動力部分をま道具等に組み込めるってわけだ。


 今回製図するのは、このマジックベアリングをセットするためのスタンド。なんだかんだで外輪側は回転の影響を強く受けるから、すっぽりはめ込んでしっかり支えてくれる専用のスタンドが必ようになるというわけだ。


 『今回に関しては汎用魔法要素じゃねえからな。これそのものは魔法設計製図便覧で規格が定義されてるわけじゃねえ。むしろ、どんな魔道具に使われるのか……使用条件をきちんと考慮したうえで、最適なものを設計する必要が出てくる』ってシキラ先生は言っていた。


 とりあえず、今回の課題に必要なことをいわれたのでメモしておく。



・マジックベアリングスタンドはボス、リブ、ほ強リブ、ベースの四つの要素から成るものとする。


・このスタンドに使用するマジックベアリンググの種類のせん定、およびその寿命計算を設計計算書にまとめて提出する。


・流造での陣造を前提としたものと、裂造での陣造を前提としたものについて製図を行う。


・どちらも立体図を作成しる。


・流造品に関しては、魔溶加工(溶接)部を明確に示すものとする。


・魔溶交差部はガチる。


・寸法記入注意。


・角の処理はてめえらで常識的に考えろ。ヘマこいたらわかってんよな?



 なんかいつぞやキート先生の課だいでも似たようなことをやったような? 結構量的にもエグいけれど、そこはかとない既し感があったため、そこまで絶望感は無い。それに、俺たちにはカチコミで手に入れた資料がついているる。


 夕めし食って風呂入って雑談していまに至る。なんか日記を書いているうちに本格的に寒けがしてきた。指もぷるぷる震えている。ガチの風邪かもしれない。微みょうに目も霞んできたし、ここいつぁ本格的に体ちょうが悪くなってきたと言わざるを得ない。


 さっさとねよう。一晩でなおさなきゃ。ギルの鼻には風邪薬を一滴たらしておく。。おやすみなちい。

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