300日目 魔導工学:テスト勉強
300日目
【節目なのにジャガイモを入れないとは甚だ遺憾イモ。一年に三回しかない尊いチャンスなのに、どうしてそれを捨て去るような愚かな真似をするイモ? ジャガイモ妖精と話したくないって言うならそれはしょうがないけど、それにしたって理由くらい話してからそうするべきイモ。もう少し、よく考えてから行動するイモ。そうじゃないと友達無くすイモ】……って、天井に血文字で書かれている。なにあいつ面倒くさいモードなの?
ギルを起こして食堂へ。今日も今日とて一段とクソ寒く、普通にしているとちょっと手がかじかんじゃう感じ。これはもうロザリィちゃんに温めてもらうほかないと意気込むも、『きゅーっ!』、『寒いねえ……!』ってすでにロザリィちゃんはちゃっぴぃに手を握られていた。ちくしょう。
しょうがないのでグッドビールに手を突っ込んでおく。やっぱあいつの毛はふわふわしていてあったかい。ローブ全体が毛だらけになることに目をつむることができれば、これ以上に無い防寒具だと言えるだろう。
ちなみに、パレッタちゃんはポポルの首筋に手を突っ込んでいた。『ぬくいのう……!』と何とも幸せそう。当のポポルは『ふぎゃああああ!?』って悲鳴を上げていたけどね。
一応書いておくけど、ギルは今日も普通に『うめえうめえ!』ってジャガイモを食っていた。思えば、蒸かしたててめっちゃ熱いジャガイモをなんであいつは素手で掴めるのだろう? もしかして熱さも冷たさも感じていないのかもしれない。
さて、今日に授業はテオキマ先生の魔導工学。『昨日の発表、おつかれさま』……と、珍しくテオキマ先生がこの手の前置きを入れたうえで、『全体として思っていたよりかは悪くなかったが、活躍している生徒とそうでない生徒の差が大きいことが気にかかる。何度も何度も言ってるが、この世はすべて競争だ。その事実に危機感を持ち、積極的に行動するというハングリー精神を持て』……と、若干小言チックなことを言われた。
『とはいえ、再履の連中よりかははるかにマシなんだけどな……』ってテオキマ先生はため息。どうやらマジに再履の連中の根性をどう叩き直そうかで悩んでいるらしい。『新しい世代ほど妙にふてぶてしいというか、変に知識を着けているものだからやりづらくって敵わん』とのこと。テオキマ先生ももっとシキラ先生を見習ってフリーダムに指導をすればいいのにね。
それはともかくとして、今日の授業はやっぱりテスト勉強。時間は上げるから好きに勉強しなさいってやつ。『中間が酷かったものは特に頑張らないと、問答無用で再履だからな』ってテオキマ先生は地獄の宣告。
内容についてはまぁいつもと変わらん。いつものメンツに、いつも通り魔導工学の神髄を叩き込んだだけ。テオキマ先生の前だったこともあってか、いつもと違い誰も泣き言を言わなかったってのだけは覚えている。
授業についてはマジでこんなもん。テスト勉強だと書くことが少ないから楽だ。
夕飯食って風呂入って雑談して今に至る……はいいんだけど、どうしよう、マジで今日は書くことが無い。風呂ではいつも通りギルがポージングしていただけだったし、夕飯の時はちゃっぴぃはロザリィちゃんのお膝だ。今日は普通に肉と野菜の炒め物で特筆すべきところも無い。スープはコンソメ。それだけだ。
雑談中も……というか、テストがヤバいから雑談を早々に引き上げてみんな勉強している。マジかよ。
こんなに短い日記って初めて……じゃないけど、書き始めた当初以来じゃないか? ステラ先生じゃないけど、俺もいつのまにか日記の達人になっていたということか。
まぁいい。今日はこの程度と言うことにして、俺もテスト勉強としゃれこもう。次の休日は買い物に行かなきゃいけないし、そこの穴埋めをいまここでしておかなくては。
ギルはスヤスヤと安らかにイビキをかいている。鼻には……霞む光でも詰めておくか。おやすみなさい。




