238日目 悪性魔法生物学:寝虎の生態について
238日目
靴の中に小さな氷柱がいっぱい。喧嘩売っているのだろうか?
ギルを起こして食堂へ。今日も今日とてちゃっぴぃが俺のローブの中にやってくる……と思ったら、そのまま『きゅ!』って肩車に。あの野郎、自分で飛ぶことはおろか歩こうともしない。『きゅいー……』って俺の頭に乳を乗せて、なんかぐでーってだらけている。
あいつは俺のことを態のいい動く乳置台くらいにしか思っていないのだろう。あいつはそういうやつだ。
そんな感じでちゃっぴぃの乳置台にされつつ朝飯を食す。今日のチョイスは一口チーズパン。すっごくカリカリに焼き上げられたチーズが堪らない。みょーんって伸びたりはしないけれど、あのカリカリ具合は癖になる。
何とも嬉しいことに、『はい、あーん♪』ってロザリィちゃんが俺に『あーん♪』してくれた。しかもしかも、『パパってば、私にはやってくれないの?』ってかわいいおめめをぱちぱちしちゃったりも。当然の如く秒でロザリィちゃんに『あーん♪』をさせていただいたわけだけれども、ロザリィちゃんってば『わんわんっ♪』って俺の指に甘噛みしてくるっていうね。もう朝から幸せすぎて言葉が出ねえよ。
ちなみに、いつもならこの辺でルマルマのかーちゃんであるアルテアちゃんのゲンコツが飛んできたりするんだけど、今日は特に何もなし。それどころか、なんかアルテアちゃん、フィルラドの横に座ってなんか照れ照れしながら食事していた。フィルラドもフィルラドで満更でもなさそうで、『アティ、レモンジャム塗っといたよ』、『今度二人でデートでも行くか!』……なーんて言ってる。
そしてアルテアちゃんも、『ほら、フィル。口が汚れてるぞ』ってにこやかにフィルラドの口元をぬぐっていたり、『デートなら、実はちょっと行ってみたいお店があって……』ってはにかんだり。なんか普通に乙女であれが気高きアルテアちゃんとはとても思えなかった。
いったいフィルラドのやつ、昨日あれだけ激おこだったアルテアちゃんをどうやって鎮めたのだろうか。たまにあいつのことがマジで恐ろしくなる。知りたいような知りたくないような……いや、知るべきことじゃあないんだろうな。
なお、アルテアちゃんに代わってエッグ婦人、ヒナたちからの制裁があった。あの野郎、俺のプリティなケツを容赦なく突きまくりやがって。親子そろって残像が出るレベルでヘドバン突きとか、マジでどういう教育されたんだ? 俺じゃなきゃマジで丸焼きにして食っていたっていう。
一応書いておこう。ギルはやっぱり今日もジャガイモ。俺&ロザリィちゃんとフィルラド&アルテアちゃんがイチャイチャしていてもお構いなしにジャガイモ。『やけくそなり』ってパレッタちゃんも貪るようにジャガイモを食べていたけれど……ストレスでも溜まっているのだろうか。
さて、今日の授業は我らが兄貴グレイベル先生と我らが天使ピアナ先生による悪性魔法生物学。『最近寒くなってきたよねー』って言いながら両手を合わせてほうっと息を吐くピアナ先生がマジでエンゼルキュート。『あっ! あったかいほっぺみーっけ!』って女子たちとほっぺの触りあいっこをする姿なんてマジで天使の戯れとしか言いようがない。
叶うことなら俺もそれに混じりたかったのに、『女の子になってから出直してきなよ?』って女子たちの鉄壁のブロックによりそれは敵わず。この世に神はいない。
ともあれ、珍しく割と普通な感じで授業が始まる。いつも通り半袖でたくましい腕を惜しげもなく晒すグレイベル先生は、『…今日のはちょっと珍しい奴だな』って後ろの大地のドーム(多分檻だろう)を解き放った。
が、そこにいたのは普通に一匹のゴブリン。別に珍しくもなんともない。『亜種か……それとも、変なやつでも憑いてるんですか?』ってクーラスが質問してみれば、『…いや、普通のやつだな。上級生にちょっと捕まえてきてもらった奴だ』って回答が。
ただこのゴブリン、普通に先生の大地魔法で足枷がされていて逃げられないようになっている。ギャアギャア喚いていたけれども、俺たちにはどう頑張っても攻撃しようがない。
『…とりあえず、ちょっと待ってろ』ってグレイベル先生が言うので、みんなでその場に腰を下ろして待機。ちゃっぴぃは俺の股座にイン。風邪をひかれると困るので、後ろから抱きしめるようにしてローブで包む。
んでんで、『お邪魔しまーっす♪』ってロザリィちゃんが俺の隣に。そのままこてんって俺の肩にもたれかかってきた。『なんか……親子って感じがしていいね……!』ってにっこり笑ってそんなこと言うなんてマジで反則だと思う。
ともあれ、みんな各々そんな感じで過ごしていたんだけど、待てども待てども何も起きない。新しい魔法生物を連れてくる素振りも無ければ、ゴブリンが最高にイカしたグレートな生物に変身する……みたいな兆候も無し。マジで暇だったと言えよう。
ただ、(今にして思えば)気になることが一つ。みんなおしゃべりしつつも周りを気にしたり、ゴブリンから注意をそらさないようにしていたのに、なぜかちゃっぴぃがじっと何もないところをずっと見ていた。
時折すーっと視線が動いたり、やっぱり何もないはずのところをじーっと見ていたり……完全にあらぬ方向を見ていて……子供って時々こういうぞっとすることをナチュラルにするから怖いよね。
で、『……そろそろ頃合いかな?』ってピアナ先生がようやく動き出す。植物魔法で(おそらく)眠り茸の類を創り出し、ゴブリンの前で何度かパタパタ。どうやらあまり即効性はないものののようで、この手のヤバいキノコにありがちなすぐにすとんと眠りに落ちる……ではなく、ゴブリンはウトウト、ふらふらとしだした。
次の瞬間、ゴブリンが目玉をひん剥いた。なんかヤバい生き物に遭遇してしまったかのように、恐怖の表情を顔に張り付けている。「ア……ガ……!」って口をパクパクさせて、悲鳴を上げよう……としているのに、眠り茸の猛烈な睡魔のせいでどうにもならないって感じ。
さすがのその様子に、俺たちも警戒レベルを上げる。が、やはりというか近くに異常は特に感じられない。なのに眠りに落ちかけているゴブリンは冷や汗ダラダラで、今にも恐怖で逃げだしそう。足枷が無くて眠気も無かったら、たぶんあいつ絶叫を上げて走り出していたと思う。
明らかに尋常じゃない空気。何かがいるはずなのに、その何かがわからない。とりあえずみんなで固まって、来るべき時に備えていたら。
「ギャアアア!」って悲鳴。
ゴブリンの脇腹が抉れていた。
『うげ……』、『やなもんみちゃった……』ってみんな蒼い顔。何もないはずなのに、いきなりゴブリンの脇腹がぐしゃっと抉れたらしい。当然ゴブリンは膝をつくんだけど、今度は右足がいきなり抉れて無くなった。
そこからはヤバかったよね。泣き叫ぶゴブリンのことなんてお構いなしとばかりに、気づけば左腕、左足……と俺たちの目の前でゴブリンがどんどん欠けていく。そこに何かがあるようには思えないのに、いっそ不自然なほどきれいにえぐり取られていた。
『何かが遠距離から攻撃している?』ってアルテアちゃんが周囲を伺る。『…残念だが、そうじゃないな』ってグレイベル先生。『見えないところからやってるのか?』ってジオルドが呟く。『そうなんだけど、そうじゃないかな!』ってピアナ先生。
『…攻撃をよく観察してみろ』ってグレイベル先生が言うので、最後の最後……両手両足が無くなり、もがいているゴブリンの様子をみんなで伺う。ここまできたら、最後に狙うところなんて頭だけだろ……ってみんなの予想通り、何の前触れもなくばくんっ! って頭が無くなった。
その傷口、何かに噛み千切られたような感じだった。どういうことなの。
幸か不幸か、ゴブリンに対する攻撃はこれでおしまい。さすがに「それ」も死体には興味が無いのか、辺りには不自然な沈黙が。
……と思ったら、『ふーッ! ふーッ!』ってちゃっぴぃが何もいないところに向かって威嚇。そりゃもうびっくりするくらいに威嚇しまくりんぐ。思わず俺も『ふーッ!』って一緒に威嚇しちゃったくらい。
で、ちゃっぴぃがなんか何もないところをにらみつけているので、『あそこですか?』って聞いてみる。『あ、あはは……やっぱり、夢魔には見えてるみたいだね……』って困ったように笑うピアナ先生がマジキュート。『じゃあ、せっかくだしみんなにも見えるようにしようか!』ってピアナ先生は俺たちにも眠り茸を使ってきた。
猛烈な睡魔。夢心地と言うか、起きてるんだか寝てるんだかわからない……なんか、ぼーっとした心地よい感じ。起きてはいないんだけど、周りのことは何となくわかるあの感じ……なんて表現すればいいんだろ?
で、気づく。
なんかヤバいのがそこにいた。
見た目的にはでっかい虎。黒いような白いような感じで、なんか体が半分空けている。物悲しそうな目つきが印象的だけど、体はがっちり肉食獣のそれで牙もたいそう立派。
そんなやつが、俺たちの周りをうろうろしている。
まちがいなく、さっきまでこいつはここにいなかった。そしてこういう言い方もおかしいけど、なんか普通の生き物って感じがしない。
そして、眠りに落ちかけているからか、体が思うように動かない。体をぺろりと舐められた時も、背筋がゾクゾクするだけで……普通なら飛び起きるはずなのに、それができない。
それは俺以外のみんなも同じなようで、悪夢にうなされるように……必死に起きようとしているのに起きられず、その虎が近づくのをビクビクして耐えるほかできていなかった。
ここで、『はい、起きてーっ!』ってピアナ先生の声が。なんか甘くてすっきりする良い匂いがしたと思った次の瞬間、さっきまでの眠気が嘘のように無くなる。そして、あの虎も夢か幻かのようにいなくなっていた。
もちろん、そんな都合のいい話はない。『…見えないだけで、あいつは今もここにいるぞ』、『半獣半霊の珍しい魔物……その中でも、だいぶ特殊な奴かな!』とは先生たち。
なんでもあの虎、【寝虎】なる魔物らしい。眠りや夢を司る、どちらかと言えばサキュバスのそれに近しい魔法的性質を持ち、そして半獣半霊という実態を持たない生き物であるばかりか、【目が覚めている生き物には互いに干渉できない】という奇妙な性質をも併せ持っているのだとか。
以下に、その概要を示す。
・寝虎は半獣半霊の魔物である。見た目としては虎のゴーストのようであり、個体によるものの白や黒のモノトーンの色合いをしている。体は透けており、実態は持たないため、魔法的性質としては悪霊の類に近い。
・寝虎は睡眠や夢を司ると言われている魔物である。その存在そのものはこちらの世界にあるが、魔界や妖精郷と言った異界でもない、夢と現実の狭間、すなわち眠りの淵に生息している。そのため、物理的座標として同じ場所にいたとしても、眠っている、あるいは眠りに落ちかけている状態でなければ寝虎を感知することはできない。
・眠りの淵に生きているために、また半獣半霊であるという関係から、寝虎は眠りに落ちた、あるいは眠りに落ちかけている生き物にしか干渉できない。また、それは逆も然りであり、寝虎に触れるにはこちらも眠りに落ちかけていないとならない。
・上記のように、寝虎は悪霊やサキュバスの類に近い性質を持つ。形態としては夢魔の一種であるバクのそれに近いが、決定的な違いとして、夢魔やバク、悪霊は対象の夢や心、すなわち精神や魔力を糧にするのに対し、寝虎は通常の魔物と同じく、対象の肉体そのものを糧にする。
・寝虎の狩りは特別でありそして単純である。めぼしい獲物を見つけ、対象が眠るまで待ち、眠ったところをその鋭い牙で仕留めるのである。この牙には対象を眠りに誘う効果があることが知られており、寝虎に襲われたが最後、単独でそれから逃げるのは不可能に近いとされている。
・寝虎は狩りの際、あえて完全に眠っていない獲物を選ぶ傾向がある。詳しい仕組みはわかっていないが、眠りかけの獲物が寝虎の姿を見た際に発生する、恐怖の心が寝虎に対しなんらかのプラスの影響を与えているのではないかと言う推測がされている。事実として、簡単に仕留められる獲物、すなわちまどろみの中にいる獲物であっても寝虎はすぐに仕留めず、何度何度も焦らし、恐怖と寝不足、それでなお襲われるどうしようもない睡魔に抗えなくなったところで、じわじわと少しずつ獲物を齧り取っていく姿が多く報告されている。
・上述の通り、眠りの淵の中で寝虎に抵抗するのはかなり厳しいが、目覚めてしまえば寝虎の干渉から逃れることができ、寝虎は起きている人間にはどう頑張っても手を出すことはできない。
・魔物は敵。慈悲はない。
眠りの淵の中でしか生きられない、現実には何の干渉も出来ない魔物……って触れ込みなんだけど、逆に言うと眠りの淵の中だったらほぼ最強。眠りかけているってことはこっちはまともに行動できないわけで、逆に相手は自分のフィールド故にその能力をいかんなく発揮できるって言うね。
ついでに言えば、俺たちが起きている間は寝虎にどうやっても攻撃できない。寝虎も攻撃できないって言えば聞こえはいいけど、ぶっちゃけそんなのデメリットに成り得ない。眠らない生物なんてこの世に存在しないわけだし。攻守ともに隙が無いとはまさにこのこと。
というかそもそも、眠りかけてて意識はあるのに体がまともに動かない……そんな状態の中、でっかい虎が少しずつ襲ってくるなんて……夢現の中少しずつ食い殺されるなんて恐怖でしかない。今回はあくまで授業だからそこまで怖くなかったけど、これが荒野で一人で……とかだったら、マジでチビりそう。
『…幸か不幸か、個体数はかなり少ないみたいでな』、『正直な話、起きてる人じゃ絶対見つけようがないからね……』って先生たち。今回の寝虎は、その筋の人たちが研究用に飼っていたのを借りてきたらしい。割と人なれしているそうで、少なくとも人肉を貪る様な趣味は無いのだとか。
『今でも生態が全部明かされているわけじゃなくて、わかんないところもいっぱいあるんだよね。例えばだけど、どうやって殖えるのかも、子育てはどうするのかも……そもそも、子供の寝虎っていうのもまだ見つかってないんだ』ってピアナ先生が寝虎がいるであろうところを撫でながら話す。
発見自体も割と最近のことらしくて、『…地方に民話や子供への寝物語として伝わっていたものが、ようやく実証されたって所だ』ってグレイベル先生は言っていた。なんでも、【夜更かしする子はこわーい魔獣にじわじわ少しずつ食べられちゃうぞ】、【早く帰ってこないと、夜の獣に骨一つ残さず食べられちゃうぞ】……っていう感じの訓話が妙に多い地域があったらしい。どうにもきな臭いと思ってある学者が調べたところ、数匹の寝虎が生息しているのを見つけたんだって。
一応、冒険中に野営をしていて、朝起きたら一人だけ魔獣に食い荒らされていた……って事例は昔からちょこちょこ報告されていたらしい。今だったらそれは寝虎の仕業だろうって判断がつくんだけど、なにせ性質が性質で姿も無ければ証拠も残さないものだから、たまたま一人食っただけで満足したんだろ……ってことで処理されていたのだとか。
『…逆に、死体が残らないレベルで食われたって報告もあったんだが……当初は寝虎の仕業として受理されたものの、実はその被害者が隣町で生きていたという事件があってな』ってグレイベル先生はさらに語る。そんな馬鹿な話があるものかと思ったら、『…現場に残った骨が偽物でな。そいつは寝虎の仕業と言うことにして、隣町にいた不倫相手と新しい人生を始めていたってわけだ』とのこと。とんでもないクズもいたものである。
途中、クーラスが『寝虎に襲われたときの対抗手段ってないんですか?』って質問する。『基本は精神力の勝負だから、無理やり起きれるようになれば大丈夫かな? 幻覚打破の応用だよ!』ってピアナ先生。『…あとは、眠っていても「眠らない」心構えができてれば大丈夫だろ』ってグレイベル先生。
一流の魔系なら、寝ているときに襲われる(ナイトメアとか夢魔とか)ことの備えとして、常に寝てても起きているのだとか。『…そうでなくとも、意識も体も寝てても動かす方法なんていくらでもある』とか。意味が解らん。つーか怖い。
『…あとは……キート先生みたいに、死にそうになりながら生きていても見られるだろうな』ってグレイベル先生は言っていた。要はまともに目覚めてなければいいので、過労で意識が朦朧としていても問題ないらしい。たぶん、【疲れてるやつが見た幻覚】、【寝ぼけて夢と混同している】……って思われたのも、寝虎の発見が遅れた原因だと思う。
ちなみに、特殊なお香(寝虎の嫌がる匂いのするやつ)を焚くのも効果があるんだけど、事案があまりにも少ないゆえに量の準備が無く、結構お高いのだとか。『ガチガチの結界を張るか、あるいは常に不寝番を置いて、うなされたりいきなり傷ついた人を起こすようにするか……それが一番かなあ』ってピアナ先生は言っていた。
割とどうでもいいけど、『けっこーあったかそうで抱き心地悪くなさそうだったの』ってミーシャちゃんが授業終わりに寝虎のいるであろう所を抱きしめていた。『人馴れしているって話だし、案外遊んでもらいたかっただけなのかもな』ってアルテアちゃんも虚空を撫でていた。ウチのちゃっぴぃは全然違うところをじっと見ていたけれども、女子的には事実よりも行為そのものが重要だったのだろう。
夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。雑談中、『きょ、今日ちょっと寝るの怖いかも……!』、『ね、ねえ! 今日だけそっちにお泊りしていいよね!?』って女子が騒いでいたのを覚えている。一つのベッドに二人は寝られるから、一部屋四人で万が一があっても安心……と言う考えらしい。ちゃっぴぃが取り合いになっていたのは書くまでも無い。
男子も何人かは『ぜってぇ今日扉の隙間とか気になっちゃうし』ってグチグチ言っていた。そういや寝虎って半獣半霊だけど、生き物以外の……扉とか壁とかって干渉できるのかな?
ギルは今日も大きなイビキをかいている。あいつ、寝る前に『夢の中だったら……相手が半分霊体だって言うなら、存分に殴っても文句言われないよな……?』って恐ろしいことを言っていた。
そもそもとして、俺が寝虎ならこんなにも立派な筋肉は硬くて不味そうだから襲わないと思う。狙うとしたやっぱり柔らかくて良い匂いのするロザリィちゃんのくちびる……なんてな!
まぁいいや。夜更かしすると寝虎に襲われるから俺もさっさと寝よう。ギルの鼻には寝虎の毛でも詰めておく。なんか授業後、ちゃっぴぃが『きゅ!』って俺に渡してきてくれたやつね。色合い的にも多分間違いないだろう。貴重なものだと思うけど気にしない。グッナイ。