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14日目 魔法回路実験:実験1の解説

14日目


 なにもない……と思ったら、隣の部屋から凄まじい悲鳴が。『俺の髪ぃぃぃ!?』ってフィルラドが慌ててる。奴の髪が発情したマンドラゴラみたいになっていた。絵筆とキャンパスの準備をしなくては。


 ギルを起こし、ちゃっぴぃをお姫様抱っこしながら食堂へ。フィルラドの頭髪の爆発っぷりは凄まじく、ロザリィちゃんも堪えかねたように顔を背けて笑っていた。クーラスもポポルも腹を抱えてゲラゲラ笑っていたし、アエルノチュッチュのラフォイドルもミルクを噴き出していた。


 もちろん、ラフォイドルに対してだけはフィルラドガチギレ。『うるせえギルぶつけんぞッ!』って威嚇してた。


 で、アルテアちゃんがくすくす笑いながら『こっちこい……どれ、髪を梳いてやろう』ってお気にの櫛でフィルラドの髪を整えだす。『マジで頼むよ、アティ』ってフィルラドはなされるがまま。アルテアちゃんのテクによりちょっとはマシになったけど、酷く前衛的なのは変わらない。最終的に、フィルラドの髪はヒナたちの臨時ベッドルームと化していた。


 ギル? あいつはいつも通りに『うめえうめえ!』ってジャガイモ食ってたよ。たぶんあいつ、物事をジャガイモかそうでないかでしか判別できないんだと思う。


 さて、今日の授業は魔法回路実験。第二回目の今日は前回の実験の解説と次回の実験の予習。前とは違う教室に集まり座学を受けるってスタイルで、この裏ではアエルノチュッチュとバルトラムイスが実験をしているらしい。


 そして解説の担当は……ステラ先生! うっひょう!


 『今日は先生が解説するね! 基本的には手が空いてる先生が持ち回りでやるから!』と、ステラ先生は杖をコンコンしながら出欠を取る。今日もロリロリしいボディとおっきなお胸がマーヴェラス。なんであの人こんなにも女神なんだろう?


 授業内容としては各実験結果に対する考察がメイン。だいたいの概要を述べ、それがどういった現象に起因するかを説明し、ちょっとしたグラフを書いたうえでポイントとなる点を述べていた。


 『んー……っ!』ってぷるぷるしながら背伸びして黒板の上の方に板書するステラ先生がマジキュート。『ここの黒板、壊れていて調節ができないのっ!』って真っ赤になって言い訳する姿がマジプリティ。この学校のボロさに感謝した瞬間だ。


 ちなみにだけど、前回の実験はあくまで基礎実験だったため、基本法則がきちんと成立してますねって確認だけでほぼおしまい。次回の実験にはマジックエミッタとかマジックコレクタとかを使うとのことだったけど、正直何のことかよくわからん。教科書通りに回路も組んだけど何がなんだかわけわかめ。


 難しいことは来週の俺に任せることにする。がんばれよ、俺。


 で、ここからが今日のハイライト。『レポート返却するよーっ!』ってステラ先生の手からレポートが返ってきたわけなんだけど、ものの見事に全ての評価項目に×がついていた。クーラスも全滅……というか、文字通り全員が全部×だった。


 さすがに唖然。いきなり一発合格できるとは思ってなかったけど、まさか一つもチェックが通らないとは。いったいどういうことだろうか。


 すがるような目でステラ先生を見たところ、『……言いたいことはよくわかるけど、みんながまだまだ半人前ってのも事実なの。辛いだろうけど、がんばって?』と、困った様に微笑まれてしまう。全俺が癒された。


 結局、みんな絶望のままレポートを持ち帰ることに。チラッと中身を見たら、上級生や先生の字でいろいろコメントが付けられていた。簡単なものに関してはこれに沿って直せばいいだろうけど、『事実を述べただけじゃ考察とは言わない。事実からわかることを述べるのが考察だ』ってコメントについてはどう対処すればいいのだろうか。


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。雑談中、ネグリジェ姿のステラ先生がやってきた。ひゃっほう。


 『よーやく実験終わったよー……』とぐてっとソファに寝そべり、慌てたように取り繕うのが本当に可愛らしい。俺たちへの解説のあとも実験室へ応援に行き、けっこう遅くまでがんばっていたそうな。本当におつかれさまです。


 せっかくなので、気分転換も兼ねてカードゲームを挑む。『僕たちが勝ったら、レポートのヒントを少しでもいいのでもらえませんか?』と提案したところ、『望むところだっ!』と返された。


 しかも例によって例のごとく、『もしも勝てたら何でも言うこと聞いてあげるよ? ぎゅっ! でもちゅっ! でもしてあげるし、なんなら膝枕もつけたげよっか?』と挑発的に微笑まれる。


 毎回思うけど、ステラ先生ってギャンブルが絡んだときはすごく大胆になるよね。普段ならそんな台詞絶対言えないくせに。そんなところもかわいいんだけど。


 書くまでもないだろうけど、結果は俺たちのボロ負け。今日もしっかりケツの毛まで毟り取られた。でも、『大変だろうけど、レポートがんばってね!』って最後に頭をポンポンしてくれてちょう幸せ。……もしかして、これもステラ先生なりのフォローだったのだろうか?


 ギルは今日も大きなイビキを書いている。なんか最近、日記の内容がごちゃごちゃして困る。昔はもっとすっきり書いていたような気がするんだけど。書きたいことが多すぎるのが困りものっていう。


 とりあえず、奴の鼻には霧のふさふさをつめておく。意外と消音効果が高くてびっくり。みすやお。

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