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彼と私の世界  作者: fumi
4/11

第4話「手話」

うーん。書くのって結構難しいなぁ。

思ってることを書けばいいんだろうけど…


日野さんは説明を書くから、スラスラ書けるのかな?

それとも慣れてるのかな?


日野さんの説明の合間や、仕事で分からないとき、素直に書くのを私はできないでいた。


でも1ヶ月たつと、それなりに慣れてもくる。

話す言葉も聞きなれてきて、単語ならほとんど分かるようになってきた。

それなのに、私は全然返せてないなぁ。

私からのアクションはほとんどがうなずくこと。

OK、NGのジェスチャーくらい。


帰り支度をしていると、トントンと肩を叩かれた。

見せてくれたメモには

[明日、休みなんです]

と書かれていた。

OKとジェスチャーをして、お疲れ様と頭を下げる。


明日は1人なのかぁ…

なんか寂しいな。


次の日、できる限り1人で仕事を頑張ってみた。

必死でやってる横で、なんか拍手が聞こえてきた。

そこには聾唖者の最年長の鶴さんがいた。

気のいいおじいちゃんで、聾唖者とは思えないほど、色んな人と仲がいい。

鶴さんって話しやすいなぁ。

今日は1人で大丈夫か、仕事は難しいか。

筆談ではなく、話してくれる単語と、手話での会話。

私が大丈夫と口の動きで返すと、手話で《大丈夫》を教えてくれた。

《仕事》《難しい》《分かる》《分からない》

鶴さんはその度、手話を教えてくれた。

片言の手話でも、話をしている。という実感。


手話で話すときは、手の動きと顔の表情をつけると分かる。と鶴さんは教えてくれた。

確かに鶴さんは表情が豊かで、それで話す単語も分かりやすいのかも。

人の話を聞くときは、相手の目を見てって、小学校で言われたよね。


私はそんな当たり前のことができてなかったんだ。


ちゃんと日野さんの目を見て話したい。

私も、手話という言語で、話がしてみたい。



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