表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼と私の世界  作者: fumi
1/11

第1話「わたし」

あなたは社会において、その他大勢に区分されますか?それは意識しなくても普通に生きていける、恵まれた環境。

でも世界には想像もできない、違う環境を持つ人が大勢いる。

そのほんの一部に触れたこの女性は、今までと変われるのか?

今日も朝から電車にゆられて、楽しくもなんともない仕事に行く。仕事は工場の作業員。いつもと同じ作業。いつもと同じ顔ぶれ。悪くはないけど、刺激もない。あーあ私一生この繰り返しなのかなぁ。も毎日のこと。

でもこれといってやりたいこともない25歳の私の名前は紺野ゆい。

恋人もいなければ、友達も少ない。職場でも人付き合いは苦手。

こんななんにもない自分が大嫌い。毎日なんのために生きてるの?私がいる意味はなに?

私が消えても誰も困らないよね?


いつも勝手に涙が出てくる。

でもこんな弱くてなんにもできないところがまた嫌いになる。


夜はいつもこうなんだ。早く私を眠らせて…


でも眠っても消えれる訳じゃなく、また朝になる。

電車にゆられて、仕事に向かう。


「おはようございます。」

「あ、紺野さん!ちょっといいかな」私の嫌いな上司だ。朝から何の用だ。

「実は今日から、違う現場に移動してもらいたいんだよ。隣なんだけど、ちょっと人が抜けて大変みたいで。悪いけど今から行ってね!」

上司はそれだけ言って去っていく。

は?まじで?

とくに楽しくもない職場だけど、なれてるから離れるのはつらい。人間関係を気づくのが苦手な私は新しい所に馴染めるかが不安だ。

「今日から移動なんだって。隣の現場。」ここでは一番仲のよかったりんちゃんにお別れのあいさつ。

「え~!?なんで?しかもそんなにいきなり移動なの?なんで?」りんちゃんは声が大きくて助かるな。他の人への説明は不要になった。

「わかんないけど、人がいないんだって。」

「そっかぁ。でも隣って、ちょっと大変だよね。耳がさ…どうやって仕事教えてもらうのかな?」

「あんまり行ったことないけど、聞こえる人もいるんじゃなかった?」

隣の現場は、特殊な職場。

耳の聞こえない、聾唖者(ろうあしゃ)※が多い。

※聴覚に障害があり、手話でコミュニケーションする人のこと。

別に激しい偏見とかはないけど、大丈夫かなぁ。

でも私、手話はできないし、きっと普通に聞こえる人が教えてくれるよね。

そうやって、新しい職場にやって来た。


変わりたかった日常がホントに変わったときには、とても怖くなる。

でもまだ変わったのは少しに過ぎなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ