神様、チートの意味がありません。パート2
神さま、チートの意味がありません。の続編です。
~神の間~
「おんどりゃーっ! 」
俺は物凄い勢いで飛び蹴りを神にブチ噛ました!
前世が病弱だったとは信じられないほど見事な蹴りだったぜ!
「へぶしっ!? 」
このクソジジィにはタップリお礼しないとな!
「いきなり何をするんじゃ!?」
「それはこっちの台詞だ! いきなり裏ダンジョンに送りやがって!」
冒険スタートと同時にドラゴンに焼き殺されるとか最悪すぎるわ!
「あれはお前がワシを怒らせたからだろう! 怒ったから手元が狂ってアソコに送ってしまったんじゃ! 」
「手元狂いすぎだ! チートは何の役にもたたないし!」
「最高のチートだったろうが! 特に最後の『ハーレム王』なんぞ男の夢だろうが! 」
「近くにドラゴンしか居ないのにモテまくってどうするんだよ! 」
ドラゴンを相手にハーレム作れと? 変態過ぎるだろ!
「まあいい、お前もう一度逝ってこい」
「嫌だ! つかジジィ、『行ってこい』じゃなくて『逝ってこい』になってるぞ!? 」
死ぬのが前提なのか? そんなに俺を殺したいんか?
「そうだ! 死んでこい! 」
「言い切りやがった!? 」
このハゲ絶対許すまじ!
「誰がハゲだ! 次は周りにモンスターが居ない所にしたる!」
「だから嫌だ! さっさと天国に連れてけ! 」
「まだメンテナンス中だ! 」
だからなんで天国にメンテナンスがいるんだよ!
「天国にマイナンバー制度を導入したらバグが発生したらじゃ! 」
「天国でマイナンバー!? しかもバグかよ!! 」
「今、新人の天使が復旧作業しとる」
ちょっとまて、なんで新人にやらしとる!?
「天国は人手不足だからじゃ! 地獄に悪人が増えすぎてそっちに人手が取られてるんじゃ! 」
どんだけ悪人居るんだよ!
「とにかく逝ってこい! 」
パカッ!
「へっ?」
突然、俺の下に穴が空いた。
ということは・・
「落ちるーーーーっ! 」
このクソジジィ、やっぱ絶対許さない!
~穴に落ちた後~
イテテっ!
また、このパターンかよ。
ここどこだ?
てか、暑っ!
そして熱っ!
俺は周りを見た。
そこには、砂、砂、砂砂砂砂っ!
一面砂しかない!
つまりここは・ ・・
「砂漠じゃねぇか! 」
マジかよ。
確かにモンスターは居ないが、砂以外になにも無いやないかい!
クソジジィめ、そんなに俺が嫌いか。
マズイ、前回とは違う理由でマズイ!
このままだと確実に干からびる!
…………あんま期待出来ないがチート使うか、本当に期待出来ないが。
【スキルを使いますか? はい・ いいえ】
頼む、使えるチートを!
俺は祈りながら【はい】を選択した。
…………そいや、祈っても神があのクソジジィだったな。
すっげー不安になった。
【どのスキルを使いますか?
千里眼 ←
無敵化
獲得資金二倍 】
…………相変わらず最後のスキルは使えそうにないな。
だが!
【千里眼】、これで町かオアシスを見つければ何とかなる!
【千里眼・・・遠くのものが見える、ただし千里(約四千キロメートル)まで】
【千里眼】発動!
………………………………………………………………………………………………ふっ。
砂以外に何も見えないぜ。
村はおろか、オアシスも無いやんか。
つまり、周囲約四千キロ全部が砂漠なんだな!
しかもオアシスも無しの!
いや、まだだ!
【無敵化】がある。
これで暑さを無効化出来たら!
【無敵化・・・使用者に対するダメージを無効にする、ただし一日三分だけ使用可能】
…………終わった、何もかも終わった。
三分間だけってどこの巨大宇宙人だよ!
三分無敵でも砂漠のど真ん中でどないしろと!?
クソジジィの選んだチートは毎度使えなさすぎる!
最後に残ったチートは【獲得資金二倍】か。
確認する必要が無い気がするが一応、
【獲得資金二倍・・・戦闘後に手に入る資金が二倍になる、やったね】
やったよ! やられたよ! 今回もやられました!
予想通り使えない死にスキルだったよ!
モンスター居ないのに戦闘出来るかよ!
そもそも今欲しいのは水! 金はいらんだろうが! 自販機がコンビニがあるんかよ、砂漠に!
…………ダメだ、頭がフラフラする、気が遠くなる。
畜生、クソジジィに最後に言いたい。
神さま、今回もチートの意味がありません。