エピローグ
「…あんな隠し玉があるなら最初から言いなさいよ。それにあのダサい掛け声は何?一緒に乗ってるこっちが恥ずかしかったじゃない」
「いやはや、お恥ずかしい。敵をだますには味方からっていうしね。最後の最後まで取っておきたかったんだ。あとあの掛け声はロマン」
ボクのその言葉に龍玄はうなずく。
「ああ、ロマンだな」
「なんでもかんでもロマンで解決させるんじゃないわよ!!」
ミカが叫ぶ。現在絶賛パーティー中だ。カラオケボックスにお菓子などを持ち込み三人で盛り上がっている。パーティーの理由はもちろん廃部阻止だ。あの後正式に勝利が認められたその足で校長先生の元に行き、契約を履行して貰った。二条先生は相変わらず怖い目で見ていたが。実際彼の条件を果たしのだからしばらくは何もできないだろう。もし何かするようなら校長先生が止めてくれるとも約束した。
そんなこんなで憂いも無くなり絶賛盛り上がり中!
こうやって新たな仲間を得た部は更に躍進し、もっともっと楽しんで青春して。良い中学生活を送るんだ!
「じゃあ行きまーす!!マ○ン○ー!○ジン○ー!」
「「「マ○○ガー!○!!」」」
☆☆☆
あくる日、ボクと龍玄は既に部活に来ていた。ミカを待ちきれず先に来てしまったのだ。
「っで。それが例の言っていた奴か?」
「そうそう!!速く見せたくてさ~。あの御影二中の陣地だった鉱山から出た鉱石を使って作る予定の新しい機体の設計図」
そう言ってボクはその設計図を高々と掲げる。
「名付けて<緑の銃士>バンブーストライカー!!遠距離特化のノーマルフレームだよ!!
」
「ほ~!遠距離機体主体は今まで居なかったから新鮮だな!」
「でしょでしょ~!!実は合体みたいに特殊機構を入れたくてねここが…」
☆☆☆
夕方になった教室には茶畑さんが残っていた。彼女は疲れ切った表情をしている。
「あ、みかっち。元気~?あーし?あーしは元気じゃない。とってもブルーな気持ち。はあ。ロボ部が勝っちゃったからさ~二条先生激オコぷんぷん丸なんだよね~しわ寄せがあーしら下っ端に…」
「…アタシになって言って欲しいのよ」
とりあえず、愚痴られても困る。アタシはそう思っていた。
「ああ、別にみかっちたちが勝ったことはいいのよ。二条先生ホント大人げないなって話。…それにしても」
そう言って茶畑さんは顔を上げた。そしてアタシの顔を見ている。
「良い顔になったじゃん。転入してきた時とは大違いだよ」
「そう…かしら?そう…かもね」
茶畑さんに言われてアタシは実感する。確かに今とあの時は違う。あの時の腐っていた時と違って今は世界が輝いて見える。
「あっ」
「部活でしょ?いってらっさい。あーしもあとちょっと頑張らないと…とりあえず。みかっちバハハーイ!」
立ち上がった茶畑さんは去っていた。私も部活へ向かわないと
☆☆☆
…部活に付いた時、銀川と龍玄がなんか盛り上がっていた。変形とか銃形態がとかなんか言っている。何の話だろう。ふと目を落とすとそこには新しい機体の設計図があった。アタシはそれを見て、頭を抱えながら二人に忠告を出す。
「新しい機体を考えたとして。誰が乗るのよ。アタシはスノウ、龍玄にはウルフ、銀川にはソルトがあるでしょ」
それを聞いた、銀川と龍玄はしまったと言った顔をした。どうやら誰が使うかは全く勘定に入れず、ただ作りたいものを作ろうとしていたらしい。
「そんなもの探せばいいんだよ!新しいパイロットを集めれば万事解決。ボク賢い!」
「賢くないわよ、極論過ぎるわよ。大体そう簡単にメンバーが集まると思ってるの。この間まで部員二人だけだったじゃない」
その言葉を聞いた。銀川はドヤ顔する。
「それならば問題ない。今、風はボクたちに吹いている!!二人が三人になったんだ。これから四人、五人、十人、百人とどんどん増えていく。そして目指せ甲子園優勝!!」
ダブルピースをする銀川、そして裏でポーズを決める龍玄。大概この二人は仲がいい。アタシは此奴らの行動に呆れながらも
「まあ、そうね。楽しい学園生活になりそうだわ」
ニヤリと笑い。そう言った。
<おわり>