戦闘訓練:魔法編4
結局纏まりませんでした。すみません。
時間は少し前にさかのぼる。
「さて、院長先生が言ってた研磨の塔ってこれのことだよな。だけどよ、入り口からでかすぎだろ!」
今ロイの目の前にあるのはゆうに5メルはある巨大な石扉だった。
そして塔自体の高さはかるく100メルはあり、正直一番てっぺんが見えないくらいの大きさだった。
「院長先生は何がこの扉から入ってくるって思ってるんだろうな?」
「まあいいか!院長先生だしな!」
よく分からないことは大抵院長先生のせいにしておけば大丈夫だと、ほとんどロイの中では常識になり始めていた。
ひどい話ではあるが、子供たちの常識をかんぷ無きまでに叩き潰したエイシャには妥当な判断なのかもしれない。
「うっしだ、まずは開けなくちゃ何も変わらねえしな。やってみっか!」
そう意気込みながら扉に手をおいて力を込めてぐっと踏み込んでいこうとした。
だがしかし!
現実はそんなに甘くはなかった。
びくともしなかった。
まあ、普通に重さがトン単位であるので、少なくとも今いる子供たちの中では素では一番力があるガイジンくらいしか無理だろう。
(うわっ、重すぎだろ。開けるとか無理だな。どうしよう?)
だがそんな心配は杞憂だった。
なぜなら扉が勝手に開いたからだ。
なぜか勝手に開いた扉。
おそるおそる覗いてみると、そこには魔王がいた。
身長は小さく、エイシャより10センチほど大きい程度の男性の形をしており、髪の毛はボサボサで目付きは気だるげな感じと、決してめちゃくちゃ怖いという外見という訳ではないのにも関わらず、醸し出す雰囲気は圧倒的な覇王のそれであった。
カタカタ、ガタガタ、少しずつ大きくなっていくロイの体の震え。
逆らってはいけない、心のそこから従わなくては生きることすら許されない、そう本能で分かってしまうほどに存在としての格の差があった。
まともに呼吸することすらできず、どんどん顔色が悪くなっていく。
(や、ばい。意識が無くなりそうだぜ。院長先生が魔王さまとかふざけた名前つけた理由わかるな。だってまんま魔王だもん。)
そんなどうでもいいこと?を考えていると目の前の魔王が唐突に喋りだした!
「おい、大丈夫か?顔色がかなり悪いぞ。」
見た目より少し渋め声で話しかけられたロイはそれに返事をしようとして初めて呼吸をしていないことに気づいた。
「かっ、は。はぁー、はぁー、だ、大丈夫だ、問題ない。」
「そうか、ならいいが。それ
でここにきたのは何用かな?」
明らかに大丈夫ではないが、こんな反応は慣れているので追及しないでおく。
対するロイは
(こんな人?に教えてもらえ?馬鹿か!死ぬは!けど聞くしかないんだよな。)
なんて考えていた。
本人は冷静になっているつもりだが、相手が見た目は人間そっくりで、さらにびびっているせいで相手がゴーレムだということを忘れていた。
「あー、あのですね、お、じゃなくて僕に近接戦闘の訓練をしてくれませんかね?」
おそるおそる訪ねると
「ふむ。若手の指導も年寄りの義務であるしな。よかろう!俺が教えてやろう!」
「あ、ありがとうございます!(おう、まじかよ!死にたくねーなぁ。つかマジでやなんだが)」
「うむ!ならばこれより俺のことは師匠と呼ぶがいい!俺はお前のことを初弟子と呼ぼう!わかったな!」
「はい、師匠!(ふっ、詰んだな。)」
「いい返事だ、初弟子よ!」
今ここに一つの師弟が誕生した!
つぎは再来週位になるかもしれません




