野上 聡 ③
違う視点で話を書いていると 本編の話し作りにも役立つ事に気付きました
「たかだか5分10分待たせただけで居眠りするとは 」
呆れたような声が聞こえ 肩をゆすられる感覚に目を開けると
いつの間にか元いた部屋に戻って ソファーに座っていた
「ここは さっきまでいた場所と違うぞ 」
「何寝ぼけてるんだ こんなのが『適合者』だなんて 不安だ…」
「違うんです古賀さん 彼が「帰る」と言い出したので「転移」を使いました」
「そうだったのか まぁいい これでも飲んで目を覚ませ 」
ローテーブルにはコーヒーが置かれていた 砂糖とミルクを入れて口に運ぶ
「じゃあ 俺は上に戻ります 何かあったら呼んでください」
そう言い残し もう一人は部屋を出て行った
「野上 聡君 君は神や悪魔 その他伝承に出てくるような鬼・怪等の存在をどう考える」
目の前の男は 口にしていたカップを置くと真面目な顔をして話しかけてきた
「そんなもの作り話に決まってるだろ 昔の奴が自分の都合良いように利用するために
作った空想の話しだ 」
なんだってそんな事聞かれるんだよ ココは怪しい宗教団体かよ マジヤバイ
「もしも それらの中に実話が含まれているとしたら 」
「ありえない どう考えても まだ地球外生命体がいるって方が信じられる 」
「そう解釈してくれてかまわない 」
「なんのことだよ 話し繋がらないだろ鬼や神様は宇宙人だって言うのか」
「宇宙人とは言ってない あえて言うなら『異界人』になるか 」
それから延々と異世界と地球の係わり 神様といわれる存在 京都にある闇の門
等についての話を聞かされたが 正直もう限界だ そんな御伽噺みたいなこと
いきなり理解しろと言われても無理にきまってるだろう… それに
「あの 俺そういうのムリです 目に見えるものしか信じない性質なんで 」
俺は根っからの『現実主義』だ なんと言われてもそんなもの信じられるはずがない
「じゃあ 見せてやる その前に家に連絡を入れておけ「今日は帰れない」とな 」
「いくらうちの親がアバウトでも いきなりそれは許される訳ないじゃんか 」
「じゃあ 親が出たら「予備校の先生に代わる」といって俺に話させろ 」
それ以上の反論は聞き入れられることなく 半強制的に電話をかけさせられた
電話に出た親は 疑うことなくこいつの話を信じたらしい 再び俺に代わると
「ちゃんと進路相談に乗ってもらいなさい じゃあね 」と言い 電話は切れた